ゆっくり霊夢「それでさぁ、セキバンキお姉ちゃん。かくかくしかじかで……。とにかくお兄さんはすごく困ってるの」

俺の抱えるゆっくりが、アールバイパーが故障してしまい空を飛べず、帰れない旨を伝えてくれていた。ただ、超時空戦闘機ではなくあくまで妖怪の一種として認識しているらしく、故障ではなくて怪我と表現していたが。

赤蛮奇「こんな闇の支配する中、戦う手段を持たない人間がたった一人。確かに風前の灯火。この傷ついた変な鳥の妖怪を安全な場所まで送ればいいのね。まかせなさい」

だから変な鳥の妖怪ではなくて超時空戦闘機なのだが、今はツッコミを入れる余裕もないので黙っておく。そして赤蛮奇はそれだけ言うと9つの生首を使ってバイパーを引き上げ始めた。

特別腕っぷしが強そうには見えない彼女であったが、さすがにこれだけいれば持ち上がるようだ。それでも相当きつそうだが。引き続きネメシスとコンパクにも手伝ってもらい、俺はゆっくり達と一緒にコクピットに乗り込んだ。

(銀翼移動中……)

周囲も真っ暗な中、宝塔の光が道を照らしている。時折キラリと流れ星が走るだけであった。さすが幻想郷だ、よくよく空を見ると星々が精一杯きらめいている。空に気を取られているうちに命蓮寺が見えてきた。よし、ここまでくれば安心だ。

貴方「重かっただろう? それにこんなところまで出向かせちゃって」

赤蛮奇「別に構わない。私の家もこっちの方だから。それよりも人間なのに妖怪に対して抵抗が少ないなって思っていたけれど……妖怪寺の人間だったのね。なるほど納得」

よっこらしょと銀翼を下しても顔色一つ変えずにポーカーフェイスのまま返す。「さあ行くよ」の声とともに、ゆっくり達は赤蛮奇の後についていく。

赤蛮奇「その……何というか、この子たちは私の大事な家族なの。急にいなくなっちゃってもし何かあったと思ったら、いてもたってもいられなくなってね。でも貴方のような優しい方に見つけて貰ってよかった……」

俺とて彼女なしには無事に帰ることが出来なかった。お互い様だよと言ってやる。さて、もう時間も遅いし別れの時が来たようだ。

ゆっくり霊夢「お兄さん、ばいばーい!」

もみあげを手のように動かして手を振っているつもりだろうか? 俺も別れの言葉を告げると我が家に足を運んだ。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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