食事を済ませたし、そろそろ就寝してもよいのだが、俺はこれからのことに少し思索を巡らせることにした。窓を開き外の空気を取り入れ頭を冴えさせると座り込んだ。
正直俺はまだまだ弱い。今日だって魔理沙に敗れたし、グレイブ戦でも魔理沙を庇う為とはいえ傷を負ってしまった。最終的に奴を仕留めたのは乱入してきた早苗さんだし。
そう、その早苗さんのことも気になって仕方がない。何故バクテリアンのグレイブを知っていたのか? しかもスクラップ置き場に現れる奴を見て「まるでグラディウス外伝だ」と口にしていたのだ。恐らくは俺と同じで外の世界の住民……?
だが、早苗さんはとても強かった。アールバイパーを用いてようやく露払い程度の戦闘をこなせる俺と違って、奴の弱点を知っていたとはいえ、鮮やかに倒して見せたのだ。どうしてそこまで強くなれたのか、彼女に会えばなにかヒントを得られるかもしれない。
窓の外では流れ星が落ちていた。そのきらめく星を見て、俺は決意する。そう、俺はもっと強くならなければならない。直前の皆の団らんを思い出し、改めて口から漏れ出る言葉を噛みしめた。守りたい、平穏なひとときを、皆の笑顔を、そして何よりも誰よりも俺の命の恩人の……
思わず懐から取り出すのはスペルカード「銀星『レイディアント・スターソード』」。しっかりとした材質でできた煌びやかなカードを焼き付けるように見る。
白蓮「どうしましたか○○さん。もう寝る時間ですよ?」
はたから見ると異様な光景だろう。いつの間にか敷かれた布団の上に棒立ちになってスペルカードを凝視しつつブツブツつぶやいていたのだから。そんなところを後ろから白蓮に見られて声をかけられたのだ、変な声をあげながら驚き振り向いた。
貴方「今日早苗さんっていう巫女に会ったんだ。すっごく強かったし、無縁塚に現れたバクテリアンのことを、そしてそのバクテリアンの出てきたゲームのことを知っていた。彼女は何かアールバイパーの手掛かりも持っているかもしれない」
それだけ一気に告げると白蓮は俯き気味に少し俺から視線を逸らした。
白蓮「早苗さん……。妖怪の山の頂にあるという守矢神社の風祝『東風谷早苗』さんですね。確かに彼女は外の世界の出身です。彼女を訪ねれば何かしらの変化が訪れるでしょう。今日も訪ねてきたのですが、行き違いになっていたようです。貴方は明日にでも行くのでしょう? 早苗さんは明日以降しばらく神社にいないといけないらしいので」
どうやら俺が早苗さんに会いに行く、つまり妖怪の山に向かうこと前提で話を進めているようだ。というか命蓮寺に来てたのか。何という不運なすれ違い。
貴方「そうしたいんだけど、白蓮は止めないのか?」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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