山のふもとから鬱蒼とした森林地帯を抜ける。ジメジメしているとはいえ、魔法の森のように明らかに危険な瘴気で満たされているわけではないのでそこまで急ぐ必要もない。その証拠にあの時のようにせき込んだりはしない。

とはいえ、あまりに陰気くさい場所なのですぐに抜け出したいのだ。瘴気は充満していない筈なのだが、なんかそれとはまた別の嫌な気が充満しているような気がするし。

そんな中、いきなり光が差し込むエリアを発見した。むむむ、気になる。何事だろうと銀翼を光のある場所まで飛ばす。

見たことのない黒い塊が周囲を吹き飛ばしつつその場所に鎮座していたのだ。この部分だけ木々がまるでないことから推測すると、おそらく空から落ちてきたものであろうことがわかる。どうやら小隕石のようだ。流れ星はロマンチックだし綺麗だけど、こんなのがぶつかってきたらひとたまりもないな……。

記念に持って帰ろうかとも思ったが、ちょっとここでバイパーを降りたくはない。何だか知らないが嫌な気のようなものが漂っているのだから。

さあ、こんな森はさっさと抜けよう。この先に河童の集落があるのでそこの川をさかのぼればもうそこは天狗の住処だ。目的地目指してひた飛翔する。

(銀翼移動中……)

急に視界が開けた。眼下には大きなリュックを背負った少女達の姿が見える。おそらくあれが河童なのだろう。一人一人がエンジニアとしての素質を持っており、もちろん水場での作業もお手の物。上空から眺めていると宝塔型通信機が輝き始めた。取り出すとなんとにとりの姿を映し出しているではないか。

にとり「無事に妖怪の山に入れたね。この先はまだまだ長いから一度補給や修理を受けるといい」

よく見るとまさに「ここに降りて来い」と言わんばかりに河童が両手を振っている。よく見ると赤い誘導灯をまるで光のラインを描くように振り回すにとりの姿であった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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