貴方「待てっ、俺に戦う意思はない! ただ道案内を……」
まるで聞く耳なしだ。この少女は剣を抜き今にも襲い掛からんといったところだ。
犬耳の少女「見たことのないあまりにヘンテコな鳥モドキ妖怪……怪しすぎる! 白狼天狗『犬走椛』、参る!」
貴方「だからヘンテコな鳥モドキ妖怪じゃねぇっ! 超時空戦闘機アールバイパーだっ!」
ああ、俺は俺でやっちまった。これでは売られた喧嘩を買ったようなものではないか。でもああ言われるとこうやって反射的に啖呵を切ってしまうんだ。というかいつになったら超時空戦闘機だと認識してくれるんだ、幻想郷の大部分の住民は……。河童くらいじゃないか、初対面で機械だって分かってくれたの。
しかたない、こうなってしまった以上ひとまず彼女を落ち着かせよう。穏便に済ませるのは絶望的と判断し、俺はオプションを展開し戦闘態勢を取る。ああもう、結局こうなるのかい……
手始めにフライングトーピードを発射する。ネメシスとコンパクの分を含めて合計6発。対する椛は早々に青白い大きな丸い弾を連なるように発射し、それらを撃ち落としていく。こちらも負けじとミサイルを撃ち続け、敵影とすれ違った。
接近戦は不利であると判断し(剣士相手にレイディアントソードだけで勝負するのは危険だ。妖夢にもまるで敵わなかったではないか)、武装をツインレーザーに換装。椛の背後を取ると改めてロックオン。トリガーを引きこれでもかと針状の光線を乱射した。しかし命中したのはほんの数発。とっさに振り向いた白狼天狗はその紅葉の描かれた盾を構えながら振り返ったのだ。
あのシールドは厄介だな……。だが、天狗という割には随分と足が遅い気もする。この白狼天狗というのは鴉天狗と違ってそこまで速いわけではないのだろうか? 大体あんな重武装でスピーディな動きなど不可能だろう。
椛「くっ……無駄な抵抗はやめなさい! そして幽閉している人間を解放してあげなさい!」
幽閉? そんな物騒なことは……違う。椛は俺を鳥の妖怪に拘束されて閉じ込められている人間と勘違いしているのだ。なんちゅう視力だ……。
貴方「他でもない俺だよっ! これは乗り物であって俺が操縦しているの!」
そう言い切ってやると、椛はハッと瞳を見開く。ようやくわかってくれたか。いや、分かって欲しいのはそこじゃないけど。
椛「妖怪に意識を乗っ取られているようですね。仕方ありません。奥の手ですが……。狗符『レイビーズバイト』」
ちっがーう!!
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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