一仕事終えて俺はリデュースを解除して機体から降りる。いまだに腰が抜けているはたてに手を伸ばし、立ち上がらせる。

貴方「いつまで腰を抜かしているつもりだ?」

伸ばした手を悔しそうに睨み付ける鴉天狗であったが、おずおずと俺の手を掴むと勢いよく立ち上がった。それでもまだ不服そうにブツブツつぶやいている。

貴方「まだ俺やアールバイパーを付喪神と呼ぶかい?」

乗り手がいないので今は石のようにピクリとも動かない超時空戦闘機を見せて一言。

はたて「ふん、とりあえず害なす存在ではないことは分かったわ。それと、助けてくれて……///」

今も自分の勘違いを認めたくないのか、だが消え入るような声であったが自らの過ちを認めてくれたようだ。

貴方「なーに、人間だろうと妖怪だろうと間違えるときは間違えるさ。だからそんなに気にすることはない」

さて、誤解も解けたし付喪神も退治した。これでこの長すぎる寄り道も終わりを告げて、守矢神社に向かうことが出来る。さて、文にでも案内してもらって……。

文「うわちゃぁ……。貴方という人は、なんとまあ……。私は上への報告やら新聞作りで忙しいのですよ。はたてさんにお願いしてはどうですか?」

彼女はそういうといつの間に撮影したのだろうか、アールバイパーがはたてと交戦しているところやクレイジーコア相手に果敢に突っ込む写真を取り出した。冷静に考えるとこいつはまともに戦ってなかったことになって憤慨ものなのだが、普段自分では見られないアールバイパーの雄姿が写っているのだ。俺はもっと見せてくれと彼女に近寄る。

文「ダメですって! 続きは新聞で……と言いたいところですが、他でもない○○さんのお願いですんでちょっとだけ……チラッ」

少しだけ見せてもらったが、なかなかの奮戦ぶりに自分のことでありながらも大きく唸った。しかし最後の一枚をよく見ると俺がへたり込むはたてに手を差し伸べるものであった。見られたことに気づいたこのパパラッチ天狗は小さくペロっと舌を出すと、いたずらっぽくこう続けた。

文「えーっと人と妖の平等とかでしたっけ? 命蓮寺での教えをキチンと守っていて感心感心♪ これぞ人間と妖怪の友情、いやそれ以上? にひひ……。それにしても○○さんはネタに事欠きませんねぇ♪」

一緒に写真を見ていたはたてが大きく目を見開いたかと思うと、その顔がユデダコのように紅潮していく。反対側では相変わらずニヤニヤ笑いの文がこちらに限界まで顔を近づけるとボソボソと一言。

文「で・す・がっ! 私も負けませんからね? 貴方は私のものです。ああ、記事的な意味でってやつですよ」

それだけ言うと背中から黒い翼を一気に展開し、バサバサと羽音を立てて空の向こうへ消えて行ってしまった。後ろではたてが「そういうのじゃなーい!」と騒ぎ立てるのを尻目に。あれ、似たようなことが昨日もあったような……?

まあいいか。文も忙しい身だし、はたてに道案内を頼もう。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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