おそらくこれだけ暴走したものを沈静化させるには破壊するほかないだろう。

まずは上下の工具だ。接近してレイディアントソードを振るうが、まるで手応えなし。外敵を排除するかのように工具を振り回し始めた。機体を左に振り、紙一重で避けるとスピードを落として一度距離を取る。

ツインレーザーに換装すると迫るミサイルを撃ち落としつつ錐もみ回転しつつ再び工具に攻撃。そのくすんだ銀色に無数の穴をあけてやった。ついでに何故か回転している遮蔽板にも攻撃を加え、数枚を砕いた。

文「あの腕っぽいのが邪魔ですね。私たちもサポートしましょう!」

羽団扇を掲げ振るうとドリルミサイルをいくつか切り裂きながら工具を切り裂いていく。片方の工具がバラバラになった。

文「○○さんがさっき切り付けてくれたのでそこを狙えばこの程度は楽ちんですっ(ドヤッ!」

軽く言っているが、レイディアントソードのつけた傷を正確に狙ったらしい。クレイジーコアの工具が届かない程度の距離からである。本当に天狗ってのは敵に回したくない。

感心しているとドリルミサイルが目前にまで迫ってきていた。慌てて俺は武装をリフレックスリングに換装。逆回転で射出するとミサイルをつかみ取った。

貴方「お返しだっ、てぇいっ!」

ミサイルを抱えたまま接近し、もう一つの「腕」に落とす。派手な爆発とともにもう片方の工具もバラバラに砕け散った。これで弱点の攻撃に集中できるぞ。

薄闇の中、クレイジーコアが焦っているのがよくわかる。腕を失ったことでミサイルをさらに激しく飛ばすようになったのだ。

貴方「一気に決める! 陰陽『アンカーシュート』!」

再び飛び交うドリルミサイルをリングで確保。これをコアに投げ込めばかなりのダメージが期待できる。最初はゆっくりと回転、そして徐々に加速をつけて……。一瞬別のドリルミサイルが目の前の視界に躍り出た気がした。しまった……!

その結果俺の目の前で大爆発。振り回していたミサイルが別のミサイルにぶつかってしまったようなのだ。お互いに爆発物ゆえに途中で爆発。アールバイパーはその爆風にあおられて地面を数回バウンド。襲い掛かる衝撃に歯を食いしばり、再び追いつこうとエンジンを吹かす。

今回は幸いにもちゃんと動いた。事前に河童に整備を頼んでおいて正解だったな。はるか先で文とはたてがミサイルを避けながら遮蔽板に攻撃を加えようとしているらしいのが見える。

遅れを取ってたまるかっ! スロットルを握る手に力が入る。その場にとどまろうとする慣性の力を背後に押しのけあらん限りに急加速した。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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