菊一文字を使えば大方の弾幕には対処できるだろう。発動に時間こそかかるが、上手に活用すれば互角以上に立ち回れる筈……。

ジリジリと間合いを調節し、相手の出方をうかがう。しびれを切らしたのは神奈子の方。放射状に弾幕を展開し始めた。

貴方「いまだっ! ここで菊一文字っ!」

タイミングよく射出されたポッドは神奈子の目の前まで迫るとバリアを展開した。惜しい、もう少し近ければ直撃したが……。だが、バリアとしての役割はしっかり果たせている。米粒のような弾幕は菊一文字のビームに阻まれて消え去ってしまった。

ここから攻勢に出る。バリアの隙間から狙い撃つようにツインレーザーを放つ。あれだけの重装備だ。そう素早く動けるものでもない。よし、命中。さらにせわしなく平行移動すると再び攻撃。これを数回繰り返した。決定打にこそならないが、確実に追い詰めているぞ。

菊一文字の効果が切れると背後に回り込むように飛行、もう一度菊一文字を発射する。

神奈子「そこかっ!」

対する神奈子が繰り出したのは米状の弾幕ではなくて巨大な黒い柱。それがすさまじい勢いで菊一文字バリアへと向かう。それもど真ん中へ。いったい何を考えているんだ? 弾幕を防ぐ盾として機能しているのは今のを見て知っているはず……?

貴方「!?」

が、柱とバリアがぶつかる瞬間、菊一文字は砕けた。どうせ防いでくれると回避行動を怠っていた俺は慌てて逃げに入る。エンジンを一気に吹かして急上昇を試みた。

しかし柱は想定以上に速い。直撃こそ免れたものの、激しい衝撃がコクピットを襲った。視界が激しく揺れる! バランスを失い錐もみ回転しつつアールバイパーの高度が下がるが、俺の目の前はいまだに火花が飛び散っており、意識を集中できない。まるで激しく頭を叩かれた後のようだ。

神奈子「たった一撃でそのザマか。笑止!」

貴方「負けるかぁー!」

意識を取り戻した俺は再びバランスを取り、再度戦神と対峙する。こちらが戦意を取り戻したと見るや否や再び攻勢に出た。

神奈子「ただの御柱でそんなではスペルカードなんて喰らったらどうなるかな? そろそろ決着をつけよう! 贄符『御射山御狩神事』!」

スペルカードか。どう攻めてくる? カードの発動を宣言すると神奈子は周囲に短剣を大量に浮かび上がらせる。なるほど、こちらを狙い撃つつもりか。同時に丸い弾を幾何学的に配置するものだから、何かの花を思わせる。最初に丸い弾が広がってきた。

貴方「狙っているのがバレバレだ。菊一文字!」

さっきの御柱とかいう柱は見るからに硬そうだったので防御に失敗したのだろう。だが、今度はあまり大きい弾ではない。こいつで防いでやろう。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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