お互いに距離を微調整すべくじりじりと間合いを離したり近づけたりして様子をうかがう。
何せ相手はあのガントレットだ。あらゆる方向に対応可能な武装を数多く持つ。ゆえに下手な行動を起こせば逆にこちらが被害をこうむるのは火を見るよりも明らかだ。最適なタイミングと距離をお互いに探っているのだ。
そしてほぼ同時に動き始める。だが、その方向性はまるで違うものであった。早苗さんは回転しながら突っ込み、雷マーク型のショットを放ち、俺は弧を描くように接近しつつハンターをばら撒いた。
衝突するのではないかというほど接近し、そしてすれ違った。こちら側の被弾はなし。早苗さんはというと数発のハンターを受けたようだが、あの数では大したダメージは期待できない。
とどまることなく宙返り。さすがにあの乗り物を完全に使いこなせていないのかしばらくまごついた動きを見せる早苗さん。アールバイパーの兵装をツインレーザーに換装し、その隙だらけの背後狙って追撃を行った。
案の定というか、早苗さんは向きを変えずに反撃を行ってきた。青色のショットを一直線に放つのだ。それもツインレーザーを凌駕する物量で。何かしらの反応があることを予見していた俺はその直撃こそは避けられたものの、早苗さんの周囲でクルクルと回る3つのオプションが斜めに弾幕をばら撒くものだからそちらに弾を受けてしまう。
貴方「ちっ……!」
カンッ、カンッと銀翼が被弾するたびにコクピットにも振動が走る。致命傷とは程遠いがあまり喰らいたくはないものだ。こうなれば強烈な一撃を喰らわせて黙らせる他ない。このまま一気に間合いを詰めてレイディアントソードで斬りつける。
早苗「かかりましたね!」
銀翼の機動力をもってすれば接近するのは容易でる。だが、そのような状況になることをまるで待っていたかのようにニヤリと嫌な笑みを浮かべる現人神。気づくとアールバイパーは早苗さんを頂点とするようなワイヤーフレームで描かれた四角錐に捕捉されていたのだ。
ガントレットから発せられるワイヤーフレームの四角錐が執拗に銀翼を捕捉してくる。まさか……!?
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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