早苗さんの指さす空。ポツリと小さな影が浮遊しているのだ。雲一つない美しい夕暮れ。だからこそ……ハッキリ見える。影が夕陽に照らされてゆっくりと横切っているのだ。

目を凝らしてよく見ると巨大なスラスターを左右に装備した真っ赤な巨大戦艦であることが分かる。そしてその縦長の戦艦を取り巻くように大小さまざまな浮遊生命体、そして戦闘機が飛び交っていたのだ。

貴方「あれは……『コンバイラ』?」
早苗「他にも『ボルド』に『ゲインズ』、『バイドシステムα』まで! 間違いありませんっ、バイドの艦隊です! あいつら、幻想郷を本気で征服するつもりなんですよ!」

そしてタイミングよく俺の懐にしまわれていた宝塔型通信機が激しく光り出す。慌てて取り出すと通信機を地面に置く。ほどなくして現れたホログラムは白蓮さんのものだった。

白蓮「大変です! 正体不明の妖怪たちが命蓮寺を横断して、そして人里に向かっているようです!」
貴方「命蓮寺を横断!? まさかバイドか? それで、被害は……?」

少なくとも白蓮は無事だったようだが、命蓮寺がバイドにやられた……?

白蓮「彼らはただひたすら目的地に向かって直進しているようで、たまたま命蓮寺の墓地がそれに被っていたらしくて……。今は雲山たちに修復作業をお願いしているところです」

墓地ならお彼岸でもない限り人が頻繁に出入りすることはないだろう。人的被害は出ていなかったようだが、今度は人里に思い切り入り込むらしい。まだバイドと確定したわけではないが、障害などものともせずに目的地まで直進するだなんてバイドならやりかねない。

もしも命蓮寺を横切った妖怪の軍勢がバイドのものだとしたら大惨事だ。

白蓮「○○さんは先回りして妖怪たちが人里に入り込まないように足止めをお願いします!」
貴方「了解した。俺の推測だと、その妖怪達はかなりヤバい奴らだ。すぐに出撃する!」

俺はアールバイパーに乗り込むとエンジンを起動させる。横では早苗さんがガントレットに跨っていた。

早苗「戦力は多いほうがいいでしょう? 私も行きます!」

ありがとうとつぶやくと、銀色の翼と蒼い稲妻は妖怪の山を飛び立ち、一直線に人里へと向かうのだった……。



銀翼と妖怪寺TFV VIIIに続く……

あとがき

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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