葛藤のさなか、再び銀翼が大きく揺れた。しまった、スキを突かれてまた攻撃を受けたのかと思ったが、そうではなかった。大きく跳躍した諏訪子の頭突きを喰らったのだ。

機体が大きく跳ね上げられる。その直後、熱された御柱がさっきまでアールバイパーのいた場所を突き抜けていったのだ。諏訪子さんに助けられたらしい。冷や汗が頬を伝う。

諏訪子「○○、大事な時なのにボーっとしすぎ! 早苗ももっとシャンとしなよ!」

ただ一人、事情を知る由もない祟り神が俺達を叱り飛ばす。早苗さんは「神奈子様がー!」と叫びながら泣き崩れてしまう。ここで俺まで折れるわけにはいかない。

諏訪子「付喪神なんでしょ? 多分神奈子本人じゃなくて後ろのしめ縄に取り付いているんだ」

そうか、あくまで黒い隕石は神奈子本人ではなくて後ろのしめ縄や御柱に命中していた。付喪神化するならまずはそっちの筈だ。

諏訪子「でもまあ持ち主まで操るだなんて随分と厚かましいヤツだね。というわけで……」

彼女の手には鉄でできた輪っかが握られている。その淵は鋭利に研ぎ澄まされており、扱い方を間違えれば手を切ってしまいそうなものであった。

諏訪子「生意気な付喪神はぶっ壊すに限るけど、まずは暴れている神奈子と切り離さないといけない。○○は神奈子の気を引いて動きを鈍らせるんだ。そしたら私がこの輪っかで神奈子としめ縄を分断するわ!」

なるほど、あくまで変異したのは道具の方であり、神奈子はその瘴気にあてられているだけ。ずいぶんと理にかなっている。俺はその仮説を信じようと思った。もしも本当に最悪の事態が起きていた場合は……その時はその時だ。今はもう少し希望を持とう!

俺は今も弾幕まき散らす荒ぶる神への接近を試みた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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