だが、俺も早苗さんも表情が晴れない。あれではゴマンダーを倒せない、そんな気しかしないのだ。
案の定、切り落とされた部分からボコボコと肉塊が盛り上がると、すぐに再生してしまった。
諏訪子「なっ……」
この二人には任せておけない。バイドならではの恐るべき再生速度に対抗するには、再生などさせる猶予を与えずに速やかに破壊する必要がある。その為には弱点である青い「眼」に強力な攻撃を叩き込む必要があるのだ。
貴方「早苗、わかっているな?」
早苗「ええ、サクっと退治しちゃいます」
そのことは早苗さんも知っていた。のろのろと外敵を排除しようとするインスルーが早苗さんの背後に迫るが……。
貴方「おらっ、お前の相手はこっちだ!」
銀翼を飛翔させ、インスルーの数珠状の胴体に攻撃を加える。ブヨブヨとした肉塊がただれ落ちるとまるで骨だけになったような姿になる。あの胴体は放っておくと弾幕のようにそのバイドの肉片をまき散らすのでその前に手を打ったというわけだ。
そうしているうちに早苗さんはゴマンダーの「眼」の真上に到達。あとは強力な一撃を叩き込むだけだ。
早苗「武装をフリーレンジに変更……標的にロックオン!」
ワイヤーフレームが眼を捉えた。わずかにバチバチと帯電を始める。細かい動きを苦手とするインスルーはこんなデリケートな場所までは入り込めないのか、この弱点である「眼」のすぐ前はむしろ安全な場所になっているのだ。
貴方「よし! オーバーウェポンを決めてやれ!」
そしてゴマンダーの「眼」に電撃が走った。バチバチとスパークの始める音、立ち込める肉の焦げる悪臭。醜悪に胎動していたゴマンダーの動きが止まった。
諏訪子「やったね!」
神奈子「しかしこんなデカブツどう片づけるんだ?」
神様たちはなんか呑気に話していた。でもなぜだろう? こいつは死んでいるような気がしないのだ。
嫌な予感ばかりが的中する。機能停止に追い込まれていたゴマンダーが再びドクンドクンと胎動を始める。しかも興奮しているのか、まるで汗をかいているかのようにゴマンダー本体は体液をまき散らし始めたのだ。
貴方「強酸だ! 早苗、すぐに離れろ!」
今度は俺が「眼」の前に向かうとレイディアントソードを振るう。だが、これも一時的に動きを止めるだけで致命傷にはならない。
神奈子「こいつは不死身なのか!?」
悪態をつきながら狼狽する神奈子。いくら神様といえ、バイドとはこれがファーストコンタクトになる。うろたえて当然だ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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