コンバイラを庇うように俺は二人の前に立ちふさがる。早苗さんは困惑の表情を浮かべてその場から動けないでいた。
紫「侵略者を庇うのかしら?」
すぐに憎悪の対象はコンバイラから俺に移る。ものすごい形相で睨みつけられるがこちらも怯むわけにはいかない。
貴方「そういう訳じゃない。バイドの侵略は許されざるものだ。だけど、様子がおかしい。こいつは戦いに来たようには見えないんだ。それにあんただってこんな場所でドンパチやりたくない筈だ」
ただ攻撃するのみ。その本能に忠実に従いあらゆるものを破壊し同化する生体兵器、それがバイドの筈だ。だが奴らの行動はバイドの本能によるものではない。本能に抵抗してまで突き動かされている。理性だ。
早苗「本能にあらがえるのは人類だけ……それじゃああの艦隊はっ!?」
人間、そうだ! あれはもともと人間であったものがバイドに変異した存在。自らがバイドに変じたことに気が付かずに地球に帰還したとある艦隊の悲劇を思い出した。
貴方「『
ジェイド・ロス
少将』……。あれは『提督』だというのか!?」
人としての理性が残っているのであれば説得して追い返すことが出来るのではないか?
貴方「紫、霊夢。俺に1度だけチャンスをくれ。誰も血を流さずに異変を解決できるかもしれない」
霊夢「デタラメなこと言うんじゃないわよ! こんなのとっとと退治して……」
紫「いいでしょう。やって御覧なさい。さて、今回はどんな奇術が飛び出るのかしらね? それとも化けの皮が剥がれるのかしら? くすくす……」
扇子を取り出い口元を隠す紫につかみかかる霊夢。
霊夢「なっ……!? 紫、いいの?」
紫「何かあのバイドとやらの正体を知っているそうよ。情報を引き出すまで待ってあげてもいいじゃない。それに霊夢なら楽勝でしょ、あの程度の敵は?」
決まりだな。俺は再びコンバイラに向きなおるとコンタクトを試みる。
貴方「提督……ジェイド・ロス提督……。聞こえますか? 聞こえますか? 今の我々に交戦の意思はない。ここにやって来た理由を問いたい……」
しかし反応は見られない。人違いなのか、そもそも元人間で間違いなかったのか? 確証がなかった故に俺は焦燥する。やはりコンタクトはとれないか……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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