既に日が落ちつつある人里はずれ。山吹色から紫、そして深い群青色に変わりつつある空の元、俺は早苗さん達と別れると命蓮寺の門前までたどり着く。自分で言うのもアレであるが、銀翼の後ろにバイドがぞろぞろと付いてくるという異様な光景だ。

その間にジェイド・ロス提督と他愛のない会話をつづけた。

貴方「命蓮寺の住職サマはね、人間も妖怪も分け隔てなく受け入れる心優しい人なんだ。大人しくしていればバイドも受け入れてくれる……かもしれない」

バイドを? いや、期待はしないでおこう。
私の常識ではそんなことはあり得ない


ところがここは幻想郷だ。常識にとらわれていると足元をすくわれるとよく早苗さんが口にしていた。

間もなく俺の帰るべき場所命蓮寺に到着。門の上をそのまま飛行して中に入る。

貴方「白蓮、ただいま」

聞きなれた声に反応し、我らが住職サマがひょっこり顔を出す。が、あまりに珍妙な来客に目を見開いてしまっていた。

白蓮「○○さん、おかえりなさ……まあっ!?」

当然の反応だろう。後ろにゾロゾロといるのはバイドなのだから。

貴方「待ってくれ。こいつらは悪さしない」

だが彼女の口から出た言葉はあまりに意外なものであった。

白蓮「うちではそんな大きなペットは飼えませんよ?」

ペット……。破壊の権化であるバイドをペット呼ばわり……だと?

星「聖、こいつらは墓地を荒らした妖怪の一味です! ほら、後ろにいる奴なんてそっくり。○○さん、捕まえてきたのですね」

騒ぎを聞きつけ本尊である星も出てくる。やはりというか何というか、最初の印象はさすがの命蓮寺でも芳しくない。

無理もない。地球上にバイドの居場所なんてないのだ……


ああ、帰ろうとしないで提督! なんとかジェイド・ロス提督を引き留めながら今までのいきさつを話す。

白蓮「……つまりここ最近空から降ってくる妖怪はバイドという悪い種族だけど、中には善玉のバイドもいると。分かりました、異変について何か鍵を握っているようですし客人として迎え入れましょう」

後ろでどっと歓声が巻き起こる。だが、これら艦隊を率いる提督の表情はいまだ暗い。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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