(同じ日の朝、紫の屋敷……)

橙「ゆかりさま、ゆかりさま! 起きて下さい。大変です!」

子猫の妖怪が紫の部屋に入り込む。もう陽も高く昇っているのにまだ布団の中で包まっているのは橙の主のそのまた主である。

紫「うふふ……可愛い幽々子。これがいいの? もっとシてあげるから、いっぱい可愛い声を聞かせて頂戴……///」

夢の中では彼女の古くからの友人「幽々子」とお楽しみ中のようだ。

橙「どんな寝言ですかっ! 早く起きてくださーい!」

無理矢理布団を引っぺがす橙。外気に晒された紫はブルッと身震いした後、肩目をこすりながら起床した。

紫「(もう、折角いいところだったのに……)」

紫「橙が起こしに来るなんて珍しいわね。ところで何が大変なんですって?」

橙は無言で今日の「文々。新聞」を見せる。
寝ぼけ眼だった紫は目を見開き、プルプルと手を震わせる。

紫「だれが御老体よっ!」

橙「怒る所そこですかっ!」

紫「だって『文々。新聞』でしょう? いちいち書いてある文字を真に受けていてはキリがないわよ? 主旨と肉付の境界を見極めなさい」

橙「???」

橙には少し難しい話だったようである。

紫「あの銀色の鳥さんがね、私と弾幕ごっこしたいんですって。チルノとどっこいどっこいなのに、随分と大きく出たわね」

スキマを開いて大妖怪がその中に腰かける。

紫「橙、少しお留守番しててね。私行かなくてはいけないところがあるから」

そのままスキマを閉じてどこかへ行ってしまった。

橙「ゆかりさまー、せめて着替えて下さーい!」

直後、小さなスキマから手が出てきて、タンスを開く。そして適当な着替えを手にし、着替えごと手は隙間の中へと消えていった。


銀翼と妖怪寺VIに続く……


あとがき

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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