その後も何度も脅しをかけたり水面に叩きつけたりしたものの、情報らしい情報は吐かなかった。余程拷問慣れしているか、本当に知らないかのどちらかだ。
さっきの謎の機影のことも気になる。そう、俺は焦っていたのだ。それゆえにこんな事をして無理に情報を得ようとしている。尋問も上手くいかない中、更に状況が悪化した。先程撒いたムラサがこの湖に近づいてきたのだ。
ムラサ「あいつ、今度は紅魔館を襲撃するつもりか!」
俺は銃口を迫ってくる船長に向ける……が、ロックオンサイトには咲夜さんしか表示されない。そうだ、リフレックスリングで拘束したままだった。仕方あるまい、ここは……。
貴方「陰陽『アンカーシュート』!」
機体をぐるんぐるんとハンマー投げの要領でブン回し、ムラサ狙って投げつけた。よし、あの船長の移動方向だとあの辺りを狙えばちょうどぶち当たる。
ムラサ「メイドを投げつけたのか? なんて奴だ。くっ、かわしきれない!」
二人とも気絶させたらムラサにも詳しいことを話して貰おう。
が、そうやって勝ち誇っていた俺はその直後驚愕することになる。咲夜さんはこの時を待っていたと言わんばかりに懐中時計を取り出すと周囲の時間を止めたのだ。最初は何かの悪あがきかと思ったが……。
貴方「しまった、ムラサ船長の動きを止めるのが目的だったか!」
俺はムラサの移動する方向を先読みしてアンカーシュートを放った。だが、そのムラサが動きを止める。そしてこの空間で動けるのは俺と咲夜さんのみ。完全にしてやられた。
咲夜「戦闘機の姿ではその前方からしか射撃は出来ない。なので私を抱えたままでは攻撃もままならない筈。そして今の貴方は幻想郷そのものの敵、いずれ貴方を狙って近寄ってくるものが来たら投げ飛ばすほかなかったはず」
こいつ、ここまで計算して……。悔しさに拳を握っていると咲夜さんが時間の流れを元に戻した。まずいな、どちらも標的は俺。二人がかりではさすがにキツい!
俺は再び全速力で逃げることにした。
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら