アンカーを避ける、それは宣戦布告を意味した。

貴方「訳も分からず『お前はバイドだから死ね』と言われて死ぬ奴があるか! それは俺が真実を確かめてからだ! 邪魔をするというのなら……たとえ相手が命蓮寺の、俺の第二の故郷の仲間であろうとも本気を出させてもらうぞ!」

もはや後には引けない。ふわりとムラサがゆっくりと跳躍するとアールバイパーの真上に陣取る。そこから柄杓を手に水をブチ撒ける。夕日に輝く水の弾幕は広範囲かつ密集しており避けるのは困難。

スッと取り出すは豪華なスペルカード、構えるは蒼き弾幕殺しの剣。

貴方「銀星『レイディアント・スターソード』!」

錐もみ回転しつつ巨大な剣で弾幕の密集地帯ごと切り裂いてやる。そう目論んでいた。

しかし……。

貴方「ごはぁ! スペルカードが不発!?」

白蓮さんとの絆の象徴たるレイディアント・スターソードが使えない! それは白蓮さんとの絆が切れてしまったことを意味する。あるいは何らかの原因で魔法が使えないか、最悪死んでしまったという可能性も……。とにかく今の俺にこの圧倒的物量をいなすことは出来なかった。

貴方「そんな、白蓮……さんとの合体技が」

きりきり舞いになりながら高度を下げる。精神的ショックが大きく、しばらく立ち直れずにいたが、地表スレスレでどうにかバランスを取る。

ムラサ「そうだよ、君は自分から聖との絆を断ち切ったんだ! あの時の聖の絶望に打ちひしがれた顔を思い出すと……」

再びアンカーを構え、こちらに向けてきた。彼女も大粒の涙を流しながら戦っているのか、声がこもっていた。

ムラサ「腸が煮えくり返るわ!」

アンカーが撃ち出される。避けるか、いや、手負いのバイパーの機動力ではあの速度を交わすことは不可能。仕方あるまい。真正面から……!




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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