女神様「もう落ち着いたかな?」

……はっ、そうだった。こうやって孤独感を埋め合わせるのも大切だが、お互いに名乗っていない上に俺は見ず知らずの女性に突然抱きついていたことになる。そのことに気が付いた俺は慌てて緑髪の女神様から離れ直立した。

「んもぅ、大きい胸に引き寄せられ過ぎ! あんなにデレデレしちゃってブツブツ……」

いやはや面目ない。むくれっ面を向けられた俺はそう言うと帽子ごしに頭を撫でてやった。さて、冷静さを取り戻すことが出来たようだが、いきなりの無礼をまずは詫びないと。俺は女神さまの方に向き直る。

貴方「俺は○○だ。命蓮寺の○○……いや、今はフリーランスだな。気が動転していたとはいえ急に抱きついてしまいすまない」

抱きついたことについては特に気にしていないようだ。彼女は「鍵山雛」という厄を集めて回るという厄神様なのだという(本当に女神様だった!)。彼女の周囲のモヤモヤは厄そのものであり、触れたものを不幸にさせる恐ろしいものだというが……。

雛「既に厄まみれだわ。一体何があったの○○? これ以上不幸になりようがないところまで不幸になっているわ」

なるほど、ムラサや咲夜さんがこちらを見ようとすることも近づくこともなかったのは厄がまるで瘴気のように充満していたからなのだろう。俺だって知っていれば突っ込んだりしなかったはず。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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