改めて周囲を見渡すと小屋の中にいるらしいことが分かる。他の人に厄が伝搬しないようにこんな辺鄙な場所で暮らしているのだろう。もう遅いからと食事までいただいてしまった。

貴方「ええと雛……様?」
雛「呼び捨てでいいわ。そんな偉い神でもないし」

神奈子さんにしろ彼女にしろ幻想郷の神様ってのはあまり偉そうにしないものらしいな。それが余計にカリスマに繋がるのだから世の中分からない。そうだ、俺はどうしても雛に聞いておかないといけないことがある。

貴方「どうして俺を助けたんだ? いや、もちろん嬉しいのだけれど俺がもしバイド化していたらこの後雛を襲っていたかもしれないんだぞ」

ふむと彼女は一点を見つめ考え込む。

雛「簡単よ。あの乗り物で私の領域に入り込んだ時の○○の行動を見ればすぐに分かるわ。私に危害を加えるつもりなら途中で乗り物から降りることも、あんなに大泣きすることもあり得ないわ」

た、確かにそうだな。雛の場所が分からないにしても周囲を破壊して回ればいいだけだし、仮にピンポイントで雛だけを狙う場合もアールバイパーから降りる必要性は全く感じられない。

雛「それでさっきの抱き付きの件と貴方にまとわりつくおびただしい量の厄。これで全て合点がいったわ。○○は何か事情を抱えているって」

そうしているうちに食事を済ませてしまうと彼女はさも当たり前のように布団を敷き始めた。

雛「泊まっていくのでしょう? 夜の樹海は危険だもの。それに私も○○から厄を吸い出すの、まだ終わっていないし」

ふむ、それは合理的だ。銀翼がなければ夜の幻想郷は非常に危険。今回はアールバイパーこそあれどパイロット、つまり俺の精神状態がとても戦闘できるような状態ではない。一晩かけて厄とやらを吸い出しきってもらうのはとても有益なことである。しかし……

貴方「なぜ布団が1人分しかない?」
雛「仕方ないじゃない。いつもは私一人だしこんなところにお客さんなんて滅多に来ないし」

これはつまりつまるところ……この中に二人で入る、平たく言うと添い寝という事だ。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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