そしてあくる日……。
「おはよう。もう起きて、朝だよ」
窓から漏れ出る光を、そして目覚めるように促す少女の声を受けて俺は目を覚ます。余程寝相が悪かったのか、服が少し乱れていた。起き上がり服装を直していると俺の傍に居た筈の雛はいなくなっていることに気が付く。
それにしても変な夢を見た。雛の声が響く中、何やらぬめぬめしたものに全身をまさぐられるような……。おそらくアレで俺の体にまとわりついた厄とやらを拭っていったのだろう。確かにくすぐったかった気もするがスーっと悪いものが出ていった感覚を覚えた。
さすがは神様と言ったところか、ご利益は本物なのだろう。俺の体は確かに軽くなったような気がする。
それにしても彼女は何処へ行ったのだろうかと疑問に思っていると扉が開いた。雛はどうやら俺よりも早く起きてどこかへ出かけていたようだ。
雛「おはよう○○、貴方があまりにも多くの厄を溜めこんでいたので一度処分してきたわ」
彼女が日々そうやって集めてきたた厄はある程度溜まると他の神様に渡すらしい。処理するのはそちらの神様の役目なのだろう。
とにかく、日も昇ったしいつまでもここで厄介になるわけにもいかない。俺はここを飛び立つ準備を始めた。
貴方「匿うだけでなく厄まで落としてくれて感謝してもしきれない。世話になったな」
小屋を出て銀翼を乗り捨てた場所へ向かおうとする俺を雛は呼び止めた。
雛「行ってしまうのね? じゃあ最後に私の話を聞いて頂戴。実はね、○○が今の異変の犯人ではないって証拠はないの。私の推理で違うんじゃないかとは思ったけれど、それが間違っている可能性も否定できないわ」
直立したままの姿勢でふわりふわりと、そしてくるりくるりとゆっくり回転しながら浮遊している。
雛「でもね、『因果応報』といって善い行いも悪い行いもいずれ自分に返ってくるのよ。くるりくるりと回り巡ってね。○○が本当に幻想郷各地で暴れ回っていないのなら、貴方に悪いことは起きないわ」
最後に俺の手を取るとニコリとほほ笑んだ。
雛「だからもっと胸を張りなさい。自分を信じなさい。貴方は2度も幻想郷の危機を救ったヒーローなのよ。私の他にもきっと味方はいるわ。しばらく厄が溜まり過ぎないようにするから困ったことがあったらいつでも戻ってきなさいな」
俺はようやくカリソメの居場所を手に入れた。そして心強い味方も。しばらくはここを拠点に今回の異変を調査することになるだろう。白蓮さん、貴女がどこにいようとこの俺が、○○が絶対に迎えに行きます……!
雛「その、厄を吸う時の貴方、寝顔とか寝言とか色々な反応とか可愛かったし……///」
ちょっと待て、俺は厄払いの儀式の時にいったい何をされて……。それを問い詰めようとした矢先、上空で激しい爆発音が響いた。反射的に俺は雛の肩を押し、伏せる等に促した。
貴方「まさかここにも俺を狙う刺客がっ!?」
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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