空中で響く爆発音の後、茂みの向こう側から飛び出したのはリュックサックからプロペラを出して慌てふためいているにとりであった。

にとり「げげっ、○○! どうしてここに……?」

この河童の少女までもが俺の姿を見てあんなリアクションを取っている。それは悲しいが、そうは言っていられない。にとりの頭に向けられたキラリと光るもの。あれは銃口とかそういう類のものだ。

貴方「いいから高度を下げろ! 狙われているぞ!」

驚く河童に怒鳴りつける俺。その怒声の直後、にとりのいた空間で再び爆発が起きた。

貴方「に、逃げるぞ! 何者か知らないがアールバイパーで応戦しよう」

俺は雛の手を引いて銀翼に向かって走り出す。対するにとりは俺とにとり自らが突っ込んできた穴を交互に見比べている。相当パニックに陥っているようだ。

にとり「そんな、あり得ない。あんなに悪魔のような所業を積み重ねた……」
貴方「にとり、説明は後だ! 今は逃げるぞ。このままじゃ3人まとめて撃ち殺される!」

周囲の霧だか厄だかで視界の悪い中、逃げ惑う3人めがけて何かが撃ち込まれていく。視界が悪いせいで攻撃の精度も甘いようだが、こちらも相手の姿が見えない。地面に着弾するたびに小さく爆発するので近寄るのは危険だ。

にとり「えっ、えぇっ!? でも君は○○だよねぇ? だけどそんな筈……。」
貴方「盟友の顔も忘れたか? 俺は紛れもない正真正銘の○○だ。能力は銀翼を操る程度の能力っ!」

寝ぼけている河童は無視して、俺は雛を後部座席に座らせるとキャノピーを閉じてアールバイパーを発進させた。

雛「せ、狭い……」
貴方「悪いな、居住性はあまり良くないんだ。とりあえず襲ってくるクソ野郎を撃退したら降ろしてやる」

そのまま俺は急上昇し、樹海から抜け出る……が、誰もいない。遅れてにとりもふよふよホバリングしつつ俺に追いついてきた。こういう時は魔力レーダーを見て……見つけた、後ろだ!

俺は反撃を仕掛けるべく機体を大きくターンさせ敵と対峙した。その敵の姿はにとりの混乱っぷりが納得できるほどの姿をしていた。

貴方「な、なんだと!?」

いや、正確にはお互いに直進していたので一瞬だけすれ違った程度。だが、それでも俺が驚愕するには十分な、そしてにとりが困惑する理由もしっかりつく、そんな姿をしていたのが分かった。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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