これだけの火力、それも複数の範囲。速過ぎるっ! かわしきれない、防ぎきれない。万策尽きたか……。

「ローリングではじくんだ!」

なにっ、ローリングだって? 直後、脳みそを鷲掴みにされるような突き刺すような頭痛が俺を襲う。俺と銀翼とそして雛が一つに直結するヴィジョンが浮かび上がる。雛と言えばなんかよくくるくる回ってるイメージがあるし、何かこの状況を打破する技でも間借りしたのだろうか。

貴方「ええい、ままよ!」

俺はヤケクソ気味に機体を高速で錐もみ回転させた。すると、なんとアールバイパーを透明な縦長の八面体の形をしたクリスタル状のバリアが包み込むではないか。恐らく機体の回転に合わせて同じようにくるくる回っている。

にとり「は、弾き飛ばした! うわぁっ、こっちにまで飛ばすなよーぅ」

クリスタル型の回転バリアはこちらが錐もみ回転を辞めると同時に消え失せてしまったが、今の乱反射で灰色のオプションは損傷したらしく、黒煙を上げて主である偽バイパーの元へ戻っていく。

貴方「くそっ、逃がすかっ!」

旗色が悪いと判断したのか、偽バイパーはオプションを格納すると全速力でこの場を離れて行ってしまった。追いかけるべくこちらも全速力で後を追うがなかなか距離が縮まらない。よし、もっと速度を上げて……。

雛「これ以上は危険だわ。貴方、追われている身なんでしょ?」

くっ、忘れていたがあまり大胆な行動には出られない。スピード自慢のアールバイパーで撒かれるのは癪ではあるが、今俺が襲われたら雛にまで被害が及んでしまう。それは避けなくてはならない。

くるりと機体をターンさせ、妖怪の山の樹海へと再び潜り込んだ。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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