???「にぶーい! いくらなんでもお兄さん、鈍すぎー!」

見知らぬ少女が勝手にアールバイパーに乗り込んでいるではないか。口をとがらせて不平を募らせているらしいが、誰だコイツ?

大きな黒い帽子、灰色がかった緑髪は癖毛、華奢な胴体を包むのは黄色いブラウスに緑色のスカート。その体の中心にある青い球体はまるで瞼のような模様が……ってこれ「第三の目」じゃないか。こいつ、まさか……。さ、サトリ妖怪っ!?

貴方「ぎぃやああああああ!? サトリ、サトリ妖怪がいるっ? ナンデ? ドウシテ??」

どういうわけかその眼は閉じているものの、その気になればこちらの心など簡単に見透かしてしまう恐ろしい妖怪が目の前に迫っていたのだ。

雛「ちょっと○○っ、どうしたの?」
にとり「まさか既に刺客があのコクピットの中に!? ただの人間に過ぎない中身を襲われちゃかなわないよ!」

いきなり大声を上げるものだからキャノピーが開かれる。

サトリ妖怪「さとりじゃないよ、私は妹の『こいし』! もしかして全然気が付いてなかったの?」

自らを「古明地こいし」と名乗る小柄な少女はなんと俺が命蓮寺の跡地に訪れた時に既に銀翼に乗り込んでいたらしい。今思うと不可解な現象は他にもあったことを思い出す。何故か差し出されたハンカチや饅頭はこいしの仕業だったのか。

こいし「ひどーい! ちょっとはおかしいなって思ってよぉ。ああ分かった、○○お兄さんってば大きい胸にデレデレしちゃって私のことなんかこれっぽっちも意識せずあんなに甘えちゃって……」

「わーわーわー!」と大声を出し、必死に遮る。っていうか、コイツは「厄払いの『儀式(ここ強調しておく)』」の際もずっと見ていたというのか///

こいし「でもね、こんなスケベで泣き虫で甘えん坊で鈍感なお兄さんだけど、私もついてきちゃった♪ だって○○お兄さんはお姉ちゃんの恩人だもの!」

酷い言われようにトホホと目から涙が零れ落ちる。だが、今は一人でも味方が多いほうがいい。涙を拭うと「ああ、頼むぞ」と俺はこいしの手をギュッと握り握手をする。

そんな二人に横からゆっくり近づくと雛が俺に向かってウインクをしてきた。

雛「ねっ、言ったでしょ? 貴方の行いはクルリクルリと回り巡って自分に返ってくるのよ♪」




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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