星「動くな。この裏切り者」

しまった、命蓮寺のメンバーは俺の顔をしっかりと認識しているではないか。しかも俺が思っていた以上に偽物の俺を屠るのに躍起になっているようだ。

槍を突き立てている妖怪は俺の知っている星ではなかった。白蓮さんのように穏やかで誰かが支えてあげないとなんだか心配になってしまうような毘沙門天の代理ではなかったのだ。ここにいるのは、本来の妖怪としての獰猛さと、白蓮を心から慕う心を併せ持った脅威そのもの。

冷や汗が噴き出る中、俺は何とかして声を絞り出す。

貴方「教えてくれ、白蓮さんに一体何があったんだ?」

唸り声を交えつつ、静かに、だが威圧的に返答する星。

星「聖は……封印されました。○○がアールバイパーで狼藉を働く責任を取らされて。よりにもよって商売敵の道教の連中に!」

封印だって? 俺の、いやあの憎きバイオレントバイパーのせいで……。俺の腕を掴んでいる手の圧力が強まっていく。その手は震えており怒り心頭であることがすぐに分かった。

貴方「違う! 俺は……俺はそんなことしない! あれは俺の偽物……」
星「そんな筈あるものか! アールバイパーを乗りこなせるのは幻想郷中でも○○ただ一人。君がやったんだ。君のせいで私達は富も信仰も住む場所すら失ってしまった!」

激昂した星は力任せに俺の腕を握りつぶさんとする。爪が食い込んで出血し、激痛に俺は腕を払いのけた。

貴方「銀翼は2機いる。俺のアールバイパーとその偽物。その名はバイオレント……」
星「まだ訳の分からないことを言いますか! 実は道教の連中に一つ取引を持ち掛けれているのです。○○の身柄を引き渡すことと引き換えに聖を解放すると。表向きには商売敵の傘下に入ることになるが、私達はそこからやり直す、君抜きのメンバーで!」

あくまで衝突は避けられないか。戦うなり逃げるなりするにはアールバイパーが必要だ。どうにか隙をついて銀翼を隠した場所まで逃げないといけない。俺は宝塔型通信機をコッソリと取り出し……。

星「妙な動きをしない! その偽物の宝塔を激しく光らせて目くらましにでもしようとしたのでしょう? 本物を持つ私には筒抜けですよ? 私は貴方がこうなってしまった経緯を知りたいので他の方と違い問答無用で殺害することはありません。ですから大人しく捕まって……」

彼女は本物の宝塔を取り出して威嚇してくる。だが、誘いに乗っちゃ駄目だ。星は他のメンバーが俺を殺したいほど憎んでいることを公言しているではないか。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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