白蓮さんを彷彿させる穏やかな声。だが、一輪に話しかけた声は彼女のものではなかった。

獣の耳のように左右に突き出た奇抜な髪形に、ヘッドホンのような巨大な耳当て、大きなマントは黒色ではなく紫色、手には剣を持った小柄な少女が現れたのだ。

貴方「何だお前は? いや、なんとなく察しがついた。白蓮さんを封じた『商売敵』ってのは……」
神子「いかにも。我が名は『豊郷耳神子』。妖怪まみれの腐敗しきった仏教に代わり道教をもってして幻想郷を平定する者!」

そういう事か。合点がいった。こいつが全ての黒幕だ。あんなに煌びやかに光っているが、その本質は邪悪そのものだ。

何らかの手段で俺がいない間にアールバイパーの偽物「バイオレントバイパー」をけしかけ命蓮寺の名声を貶め、俺が暴れていることを理由に白蓮さんを封印、その封印の解除をエサに白蓮さんを慕っていた一輪や星を自らの言いなりになるように仕向けた。こいつが、こいつが俺の信頼を、白蓮さんとの絆を、俺の帰るべき場所である命蓮寺を……!

貴方「……さねぇぞ」
神子「どうしました? 恐怖のあまり震えが止まりませんか? そこの変な鳥の妖怪さん」

プッツンとキレた。それはもう理性のタガを外すのには十分すぎるほどであった。

貴方「だからアールバイパーは変な鳥の……いや、もはやそんなことはどうでもいい。貴様っ、絶対に許さねぇぞ! テメーがアールバイパーの偽物をけしかけて俺を、そして俺の大事な仲間を不幸のどん底に叩きこんだんだ! 白蓮さんの想いを踏みにじり、蹴落としたら空いた椅子にいそいそとってか? ふざけんじゃねぇ、そのひん曲がった根性ごとぶちのめしてやる! このドグサレミミズク野郎がっ!!」

こんなゲスの極みに情けなど必要ない。そのすまし顔にレイディアントソードで風穴開けてやる!

貴方「重銀符『サンダーソード』!」

だが、俺は同時に恐怖も感じた。俺がこれだけ激昂しているというのに神子の方はまるで感情が動いていないように見えたのだ。よほど冷静なのか、それとも感情など元から彼女にはないのか……。ただ一言俺にこう告げるのみであった。

神子「○○といいましたか。ああ、なんと哀れな……」




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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