あり得ない。オーバーウェポンを用いてようやく1発放てる必殺の一撃をあろうことか奴は3発も連続で使ったのだ。こんなことあり得な……
貴方「いや、こいつまさか……?」
いや、一つだけそれを可能にする方法があった。奴は、バイオレントバイパーは複数のオプションから均等に魔力を得たのではなく、1つのオプションから一気に魔力を持ち出してサンダーソードを放ったのだ。
つまり「禁術『
オーバーレイド・オーバーウェポン
』」を重ねることなく3度発動したことになる。こんなこと俺には不可能だ。急に押し寄せる魔力に俺の体が耐えられなくなるからである。
だが、バイオレントバイパーは違った。中に誰がいるのか、それとも誰もいないのかは分からないが、その魔力の制約をまるで受けていないのだ。
揚力を失い、アールバイパーも墜落。ザアザアと大雨が降りしきる中、時折光る雷のみが周囲を照らす中、バイオレントバイパーは俺を仕留めたと確信し、この場を離れていった。
貴方「くそぅ……」
またも奴に敗北した。あいつが勘違いしてくれてどうにか助かったものの屈辱的であった。
貴方「はっ、それよりもゆっくり霊夢は? 雛っ、見つけたか?」
ぬかるんだ地面を這いつくばりながら探す雛の表情は晴れない。すっかり身に着けていた服も泥で汚れていた。
雛「それが、あの後どこかに向かっていったようなんだけど……」
あいつ、はぐれたのか? この大雨の中、落っこちたゆっくり霊夢にまで神経が回らなかった。
貴方「ゆっくりの脚だ、まだそんな遠くには行っていない筈。俺も探すのを手伝おう」
無理に戦闘に参加させた俺の責任だ。このまま帰っては赤蛮奇に合わせる顔がない。俺と雛は迷子になったゆっくり霊夢を捜索することに。
あれだけ激しかった嵐は通り雨だったのか、すでに上がっていた。何とか今夜中に見つけなくては。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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