ミスティアと名乗る鳥の妖怪に俺が思いっきりライブの邪魔をしていたことを指摘され、俺は響子から慌てて離れる。
ミスティア「お兄さん、何やら訳ありのようね。我ら『鳥獣伎楽』はそういった抑圧された者の味方だよ。せっかくステージに上がったんだ。ちょいとその思いのたけをぶつけてみてはどうだい?」
おもむろに放り投げられるマイクを受け取る。これはチャンスかもしれない。今幻想郷で何が起きているのか、人々を苦しめる悪の銀翼の正体が何者であるのかを知らしめることが出来る。
貴方「みんな、聞いてくれ。俺は幻想郷でも珍しい飛行機乗りだ。俺の愛機は銀色の翼、アールバイパー! 今も会場の後ろに停めてある」
今や幻想郷各地で大暴れしている銀翼、その名前を聞いて会場はどよめいた。
貴方「ここ最近あちこちで暴れ回っている変な鳥の妖怪? 間違えちゃいけない、あっちは俺じゃない。ニセモノが俺を貶めるためにやっているだけだ。この俺が異変解決の為に地底でドンパチやっていた間にな!」
本気なのかその場のノリなのか、観客からは歓声が沸き起こる。横ではミスティアがこちらが発言するたびにギュインギュインとギターをかき鳴らしていた。
貴方「覚えているか? 最近まで降り注いだ隕石の事。俺はあの異変を解決しただけだというのに、虐げられた毎日を送っている。命蓮寺だって行方知らずだ。おかげで居場所を失っちまった。俺だけじゃない、ここにいる響子も……」
いかんいかん、少し涙ぐんでしまった。
貴方「だけどな、俺はこんな所じゃ終わらねぇよ! 終われねぇんだよ! 偽物野郎のケツにぶっといフォトントーピードをブチ込むその日まではよォ! 認めさせるぞ、この俺こそが地底と幻想郷をバイドの脅威から守り切った英雄だってことをよ!」
あちこちでウォーと雄たけびが上がった。彼らがどこまで俺の話を本気にしているかは分からない。だが、これでいい。少しでも賛同者を多く募るんだ。どんな奴でもいい。少しでも、少しでも……。
ミスティア「おっと、こいつぁ思いのほかヘビーだったわ。それじゃあ次の曲もとびきりヘビーで激しいの行っちゃおうか! じゃあ次の曲は……『信じて送り出したバイドがソルモナジウムにドハマリして、したり顔でタイヤキ屋をやっていたなんて』」
観客「うぉー! シンバシー! シンバシー!」
何だかよく分からない曲名だが、さすがプロだ。観客の心を掴むのがうまい。会場のボルテージは最高潮である。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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