神子「その声は青娥かっ?」

それは天女のような姿をしていた。特徴的な大きな輪っかを二つ作った青い髪型に大きな簪。透ける羽衣を羽織り、なよっと体をくねらせた少女。なんだろう、彼女を見ていると言いようのない不安感を覚える。

青娥「あらあら豊郷耳様。随分と苦戦なさっているようですわね。ええ、こんな時こそベルサー艦ですね。それでは豊郷耳様にとびっきりのベルサー艦を……」

くすくすと笑いながら青娥は頭の簪を取り出すと空中に向かい円を描く。すると亜空間……いや、同じ仙人だとすると仙界だろうか、そこから巨大なシーラカンスが降ってきたのだ。くそっ、ここでまた援軍かっ!?

青娥「アイアンフォスルですわよ」

が、このシーラカンスはあろうことか俺達ではなく、神子を攻撃し始めたのだ。無数の鱗を神子に向かって飛ばし始める。鋭利に磨かれているようであちこちに切り傷を作っていく。

神子「なっ、どういう事だ!」
青娥「そのまんまの意味です。豊郷耳様にベルサー艦をプレゼントです。もっとも、豊郷耳様に味方する……なんてことは一言も申していませんがね。くすくす……」

シーラカンス型戦艦はその尾びれを思い切り振るい、神子を横から殴打する。吹き飛んだ神子はそのまま伸びてしまった。引き続き暴れるシーラカンスは早苗さんが対処していた。

青娥「敗者に興味はありませんってことですわぁ。あっはははは……」

今のやり取りで分かった、こいつはとんでもない悪党だ。こいつが命蓮寺を、白蓮さんを、イボルブバイパーを、そして今まさに神子を……!

貴方「おい」

爆発する感情を必死に抑えるべく俺の声は限界まで低くなる。まるで唸り声をあげる獣のように。

青娥「まあお顔が怖い。豊郷耳サマから聞いていますわ。人間でありながらあの妖怪だらけのお寺に手を貸す変人○○ってのは貴方のことでしたわね。くすくす……」
貴方「黙れ! それよりも白蓮に何を吹き込んだ? 俺が侵略者のスパイだとか訳の分からないことを言い始めている。あんたがとんでもないホラを吹いたに違いない! どうなんだ?」

こちらの怒りなどお構いなしと言った感じでふわふわと浮遊している。が、その瞳の奥の眼光は鋭い。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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