真っ二つにされたネメシスは苦しそうに声を上げていた。
ネメシス「マスター……。ナンダカサムイノ、スゴクサムイノ。アタタメテ……」
迷うことなく俺はネメシスの切れ目を出来るだけくっつけ、そこを撫で続ける。もしもまたくっつくのならと淡い希望を抱いて。
ネメシス「エヘッ、アリガト。コンドハ、ダッコシテホシイナ……」
ああ、俺もとても抱きつきたい気分だ。ギュっと俺は彼女を抱きしめる。肌と肌が触れて俺にも分かった。彼女がみるみる弱っていく様を。
ネメシス「アッタカイ。マスター(ちゅっ)、ダイ……スキ、ダイスキ……ダ…………ヨ………………」
力を失う手を優しく握り、俺は必死に語り掛ける。
貴方「諦めるなネメシス! すぐにアリスの所に行って修理してもらおう。だから、だから俺を置いて逝かないでくれぇっ!」
その叫びもむなしく、ネメシスの体がふっと軽くなった気がした。ああ、完全に機能を停止してしまったんだ。魂の重みだけ軽くなったんだ。
貴方「うっううう……」
だらりと重力に向かって力なく落ちる腕。光を失った瞳。決定的だ。ネメシスはもう……。
貴方「うわぁぁぁぁ! ネメシスー!!」
何度も彼女の名を叫びながらその亡骸に額を埋め俺は泣きに泣いた。ネメシスを失うことは愛する娘を失うことに近い。その喪失感は並外れたものではないのだから。
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら