そしてはるか遠くに若干背の高い黄色いじゅうたんが見えてくる。

雛「あれが『太陽の畑』。向日葵畑なんだけれど、この近くに鈴蘭の花畑もあって、そこの子が私の友達なの」

更に近づくとたくさんの向日葵に囲まれて憂い気に直立する女性の姿が浮かび上がった。今まさに陽が昇り逆光となっており、その表情はよく確認できない。

雛「あれ、メディちゃんじゃないわね。おはよう、風見幽香さん」

どうやら雛の言っていた友達とは別の存在のようだが、この「風見幽香」と呼ばれた女性も顔見知りのようである。赤いチェックで統一した服装に白いブラウス。色こそ違えど幽々子さんの髪型を彷彿させる癖毛の目立つ緑髪を風になびかせている。

ひまわり畑の中心で真っ白な日傘をさしながら一人立つその姿は綺麗な花の似合う清楚な乙女を彷彿させた。だが、その瞳はとにかく赤く鋭い。その鋭さがあまりに異様であったのだ。そして一瞬、その赤い瞳と目が合ってしまう。

わずかにニヤリと笑みを浮かべたようにも見えた。直後に俺の体が大きく震えあがる。

今ので分かった。あのお姉さんも妖怪、それもかなりの力を持っているタイプの。俺の本能がそう訴えかけている。しきりに「危険だ」「すぐに離れろ」と。だが、そんな俺よりもひどかったのが横でガタガタと震えている河童。

にとり「太陽の畑っていうから警戒していたけれど、こ、こんな近くに鬼レベルの強大な妖怪が……」

恐怖のあまり泡を吹いて気絶してしまったようだ。雛との反応の差が顕著である。俺は、俺はどうすればいい?

この女性は味方になってくれるのか? それとも……



銀翼と妖怪寺VG VIに続く……
あとがき

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら