今のはチルノのものであった。声が響いてコンマ数秒、ゴーレムの目が一瞬笑みを浮かべる。

ゴーレム「力の強そうな、んでもって頭の弱そうなカモ発見! 今度はこいつを操ってやる!」

あくまで俺を倒すことに固執するゴーレムは今度はチルノを洗脳して戦わせようとしているのだ。耳にあの太い触手を突き刺されてはその肉体はゴーレムのおもうがままに操られてしまう。

貴方「チルノッ! 離れろ!」

思わず彼女の名を叫ぶが、それもむなしく、ゴーレムはチルノの両耳に触れた。

ゴーレム「いただきだ。ほほぅ、さっきの小娘よりもずーっと強いようじゃないか。ちょいとその体、借りるぜ……」

今まさに触手が突き刺される! が、次の瞬間、ゴーレムの表情が固まった。いや、固まっているのは表情だけではない。触手も固まっていたのだ。カチコチに凍らされて。

ゴーレム「イギャァァァァ! 手がぁ、手がぁぁぁ~~~~!!」

チルノは触手が本格的に突き刺される寸前にゴーレムの触手を凍らせていたのだろう。実際に体に触れていたので冷気もより速く伝わっていったと考えられる。

チルノ「ふふん、脳味噌の化け物の割にはあんまり頭が良くないのね。冷たいものに触ったら手も冷たいに決まっているじゃない」

今も悲鳴を上げるゴーレム相手にドヤ顔で決める氷の妖精。そのまま快活な笑顔を今度はこちらに向けてきた。

チルノ「やっぱり○○にはあたいがついていないとね! 何たって○○は、あたいのマナデシかつえーえんのライバルなんだから!」

彼女の口から出た言葉、それがあまりに嬉しく俺は思わず涙した。

貴方「まだ、あんたの弟子にしてくれているんだな? 前にあんたの友達に手をかけてしまったというのに、今だってあんなに銀翼はあちこちで暴れ回っているというのに」

涙ぐみながらそう言われ、キョトンとするチルノ。間もなく「友達」がリリーホワイトのことと分かると少しも明るさに陰りを見せることなく続けてくれた。

チルノ「リリーホワイトの件は仕方ないわね。巫女に散々ボコボコにされてもゾンビみたいにすぐ立ち上がるし暴れ回るし、完全に『一回休み』にしないと止まらなかったわ。それに今あちこちで悪さしてるのはニセモノのほうでしょう?」




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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