恐ろしい程に真実に近づいている。これもバカ……失礼、思考回路が単純なだけ既存の常識にとらわれにくいということなのだろうか?
雛「偽物って分かるの?」
チルノ「前々からおかしいなとは思っていたけど今ので確信したわ。今まで見てきたのはニセモノ。頭の弱そうな脳味噌お化けにすら見分けることが出来るのよ。あたいに出来ない筈がないわ。そもそもあたいのマナデシはあんなことするわけないもん!」
その理屈が通ってしまうと幻想郷のほとんどの住民の知能がチルノ以下ということになってしまう。流石にそれはあり得ないだろう。
なんとも無茶苦茶な理屈であるが、少なくともチルノはこちらに好意的である。それが分かっただけで十分だ。
貴方「ありがとうな、チルノ。あんたは技だけじゃなく、心の師匠でもあったようだ」
互いの友情を確かめ合うべく、再びガッチリとアツい握手を交わしていると、申し訳なさそうにか細い声が割り込んできた。
ゴーレム「おーい、腕を凍らされたままなんだけど……」
チルノ「戻さないわよ。また悪さするでしょ?」
ゴーレム「くっ、ならばいっそここで殺せ」
貴方「コイツを殺すなよ? 死んだらまた時間をおいて復活するんだ」
ゴーレム「ひーん! 助けてゴーファー様~!」
結局腕が凍ったままでは可哀想だし、チルノに行動を監視させることを条件に触手は戻してやった。
その間に俺達が幻想郷全土にバイオレントバイパーを縛る包囲網を作ろうとしている旨を話した。
チルノ「えーっとどういうことかしら?」
ゴーレム「つまり、ニセモノ野郎を取り囲む大きな網になってくれってことみたい。
いいか銀翼の末裔、今回は手助けしてやるが、ニセモノ野郎を仕留めたら次はテメーだからな。くれぐれも勘違いしないように!」
強引に味方にしたゴーレムとわが心の師匠に別れを告げ、俺達はさらに妖怪の山から離れ、太陽の畑を目指す……。
間もなく人里が見えてくる。ここを抜けてその更に向こうが太陽の畑。しかし、日が落ちてきてしまっていた。
雛「厄神にお尋ね者。とても人里に入れる状況じゃないわね」
うっかり俺達が入ったら一悶着どころでは済まないだろう。とはいえ、幻想郷の夜に無暗に動いても危険なだけである。不本意だがどこか適当な場所で野宿する他ない。
にとり「こんなこともあろうかとっ! テントを用意してあるのだ」
つくづく河童を味方につけてよかったと思う俺達なのであった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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