(神子と別れた一輪は……)


一輪「うっ、うわぁーん! こんなのもう嫌だー!」

神子達が人間達を導くための人里の拠点は道教の信者達によってしっかりと作られているも、元々白蓮の弟子であった一輪達の詰所は神子の拠点の隣にあるなんともオンボロの小屋なのである。

神子に報告を済ませて詰所まで戻ると中にいたムラサと星の前で一輪はついに我慢の限界が来たのか、大泣きしてしまった。

ムラサ「そうね。これ以上あいつらにいい顔させておくこともない。これは私達の戦い。こんなことになってしまった元凶である裏切り者の○○を葬り、全てをやり直すのが目的だった筈。あんな奴らに頼らずに私達だけで……」

そんな二人をやや語調を強めて止めるのが星。白蓮のいない今、このメンバーを取り仕切るのは星の役目である。

星「なりません! 聖もいないし、信用も失墜した私達です。それに彼女たちの気を悪くしてはいつまでも私達の聖は封印されたまま。まずは聖の封印を解いてもらうのが先決。辛いでしょうが今は立ち上がる時ではありません」

そう言いながら彫刻刀片手に何かを彫っている。手の平にスッポリ収まるような小さな人形のようなものであった。

星「どうです? 粗末なものですが木彫りの仏像を作ってみました。今だって仏の救いを求めている方はいらっしゃいます。これはそんな方に渡していくのです」

昼間は道教の布教活動をやらされており、そんな暇はないので、コッソリと仏の教えを夜に説く。これをやると徹夜になってしまうので、今いる3人がかわりばんこにやってきたのだが……。

ムラサ「今日は私の番ね。仏像配りと、もしも途中で裏切り者の○○を見つけたら……」

その後は無言で親指を立てて首元を切るジェスチャーを行う。

星「できれば生け捕りにするように。彼が聖を裏切ってまでどうしてこんなことをしてしまったのか、その理由を私は聞きた……ちょっと、話は最後まで聞いてください!」

その悲鳴はキャプテンに届くことはなかった。隙間風の吹く中、星はやれやれと首を振るのであった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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