青臭い草の香りが鼻孔をくすぐる。向日葵は俺なんかよりも背が高く周囲を緑色と黄色に染め上げているものの、カンカン照りの太陽を遮ったりはしてくれない。その奥へ奥へと幽香さんに引っ張られながら汗をかきかき必死についていく。
幽香「この辺りでいいわね。○○君、絶対に右手の指を動かしちゃ駄目よ?」
それだけ言うと掴んでいた俺の腕を……なんと自分の左胸に押し付けるではないか!
貴方「なっ、何の真似だっ!?」
そういえば幽香さんも豊かな胸を持っていた。一度意識してしまうと発汗がさらに激しくなる。その豊かな胸の片側に手を押し付けられてドギマギしてしまってだ。だけど幽香さんはどうして急にこんなことを? 意図が、全くもって意図が分からない!
幽香「まだ分からないの? 少し見ないうちに外界の人間ってのは随分と平和ボケしちゃってるのね。ならば、これでどう?」
それだけ言うと、幽香さんは俺の手を胸に当てさせたまま近づいてきた。吐息がすぐそこに迫るほどに。そ、そんなに近寄られたら心臓が早鐘のように……。
貴方「わわわわ……」
いや、心拍数が上がったのは俺だけではない。幽香さんも、その鼓動を激しくさせていたのだ。俺の手を伝ってドクン、ドクンと感じ取れる。そしてある時にそのタイミングが完璧に合わさった。
幽香「ようやく気が付いたわね○○君。私が言いたかったのは心臓の鼓動。妖怪だろうが人間だろうが、生きとし生ける動物はみんな心臓を鼓動させて全身に血を巡らせているわ。そうやって体に必要な栄養素が全身に行き渡るってことね」
思いの外真面目な話であった。豊かな乳房に一瞬でも意識が向いてしまった俺が恥ずかしい。
幽香「ちゃんと感じられたわね。それじゃあわざわざ貴方をここに誘った理由を教えるわ」
視線が横へ向かう。大きな向日葵の中でも一際太く背の高い向日葵が咲いている。その茎を握れと言われ、俺はそっと太い茎に触れる。
貴方「こ、これは……!」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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