あくる日……はまだアールバイパーの修理が終わっておらず、精神的な鍛練を行う日々が続く。そして近接戦闘に頼らない新たな技を編み出すという行程も。
幽香「編み出すと言っても小細工なんかは無意味。体内に溜めた高純度の魔力を直接ビームにして飛ばす。単純だけれど十分に魔力のチャージが出来れば破壊力は圧倒的の筈よ」
そして数日経ったある日、ようやく修理が終わりいよいよ久方ぶりの実戦に移ることになった。
貴方「だいぶイメージが固まってきた」
再び対峙する両者。先に仕掛けたのは幽香であった。日傘から放たれる閃光はマスタースパークのもの。
避けるだけなら簡単だし、連射できることも学習済み。俺はヒョイヒョイとこれらをかわしながら、オプションとアールバイパー本体に流れる魔力に集中する。
貴方「よし、オーバーウェポン発動」
オプションの魔力をゆっくりと俺の体へ移動させるイメージを持つ。チリチリと腕を焦がすような針でチクチク刺すような細かな痛みが広がるが、集中力を途切れさせない。
にとり「いいぞっ、いい感じだ。その調子!」
俺が今やろうとしているのはオーバーウェポンで収束させた魔力を直接ぶつけるというもの。今まではレイディアントソード等の何かしらの武器を触媒として用いていたが、間にその手のものを挟まないでエネルギーの減退を起こすことなく純粋な破壊力をぶつけるというものだ。
貴方「はぁっ!」
アールバイパーの先端から青白い電撃がスパークする……が、方向が全く定まらずすぐ近くの空気中であっけなく消えてしまった。
幽香「魔力も集中力も足りない。やり直しよ!」
負けじと再びオーバーウェポンを発動させる。よし、今度は上手くいったんじゃないかな。
雛「こ、こんなに溜めることが出来るんだ……」
今なら最高のコンディションでサンダーソードも放てそうだ。再び俺は魔力の塊を発射する。
貴方「でぇぃやぁっ!」
結果はまたハズレ。だが、前のよりもエネルギーが収束しており、射程距離も伸びた。よし、今度こそ……
幽香「そんなところで満足してるんじゃないわよ! そろそろ特大のマスタースパーク、食らわせるわよ?」
ひっ、コレもダメなのか。三度俺は魔力の集中させる。やるぞ……やってやるぞ……。だが、あまりに焦ってしまい思ったように集中できない。くっ、さすがに連発はキツいか……。
脳裏によぎるはあの真っ白い極太レーザーの中で何度も敗北してきた苦い思い出……。そうだ、こんなことでへこたれている場合ではない! 俺はバイオレントバイパーを倒し、白蓮さんを救いだし、そして取り戻すんだ。信用を、日常を、最愛の女性を……!
にとり「何だあの青いのは? フォースフィールドとも違うようだし……」
直後、アールバイパーが青色のオーラに包まれた。先端は今にも爆発しそうな青く光る球体。なんだろう。俺の、そして幽香さんの期待していたものが完成したような、そんな気がする。
今なら確信が持てる。今度こそ成功すると。だが、この瞬間に幽香さんはマスタースパークを放ってきた。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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