幽香さんはぐったりと衰弱していたものの、まだ息はあるようであった。3人で小屋の中のベッドに寝かせ、しばらく様子を見てみると……。
幽香「うう……。まさか三途の川のほとりを見るとはね。随分と久しぶり。私はもう大丈夫。妖怪の治癒力を舐めないことね」
それでも見るからに弱っている。雛がキッチンを借りて簡単な食べ物を用意しており、スプーンで食べさせようとしていたが、思い切りそれをひったくると自分で食べ始めた。
幽香「天下のフラワーマスターが誰かに病人食を食べさせられてるなんて噂が広まったらたまったもんじゃないわ。でも……ありがとう」
自分でそんなことを言うだけあって、かなりのペースで幽香は食事を終えてしまう。言動は既に元の勢いを取り戻したようで今日一日休めばもう通常通りになるだろう。そうなると気になるのは自分を瀕死に追い込んだあの青いビームの事。
貴方「すまない。本当に申し訳ないと思っている。まさかアールバイパーの放ったビームにあんな能力があるなんて予想も出来なかったよ」
幽香「ええ、どういうわけかあのビームを喰らったら魔力という魔力をほとんど吸い取られたわ。人間で言うと出血多量でショック状態になっていたところかしら?」
ふむ、随分とおかしな特性を持っているようだ。ビームとビームがぶつかり合って競り勝った方のビームが相手のエネルギーを吸収して自らの火力にしてしまう……。や、やっぱり!
貴方「分かった、いや分かってしまったと言うべきか。幽香さんの証言で俺は確信を得られた。俺はとんでもない技を覚えてしまったようだ。そんなバケモノじみた特性、他に思い当たらい。あれは『
αビーム
』だ、間違いない」
その昔、とある惑星が衛星の所有権をめぐって他の星との戦争で用いた結果、戦争相手の星そのものを消滅させてしまったという悪魔の兵器「ALL NOTHING(オール・ナッシング)」、その技術を用いたビーム兵器こそかの「αビーム」なのだ。
幽香「私はただの妖怪でそこまで魔力に依存していなかったから良かったものの、魔力に依存しているようなのがこんなの喰らったらまず命はないわね」
幽香さんの協力もあってアールバイパーはまた一つ強くなれた。だが、不思議と今回は嬉しい気持ちにならないのであった……。
幽香「とにかく今の私に出来るのはここまで。それにしても○○君に負けっぱなしなのは癪だわ。元気になったら、私も負けないようにまた鍛錬ね。そしてまたいつか一緒に弾幕で遊びましょう? それまでは絶対に死ぬんじゃないわよ!」
手を伸ばす幽香さんの手をがっちりと掴む。少し前まで大怪我していたとは思えない程にしっかりとした感触。
貴方「ああ、約束だ!」
アツい握手を交わし寝間着姿の幽香と別れる。陽が落ちてから別室で今後の作戦を3人で練ることにした。
αビームか……。強すぎる力を持つという事はそれだけ苦悩も増えるのだろうか? 次々と兵装を習得するアールバイパー、これからもみんなの希望でいられるのだろうか……?
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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