おおむね銀翼異変に対して懐疑的な記事が目立つ。

幽香「こっちの新聞によるとこの銀翼って奴、実は2機いるらしいのよ。恐らくはどちらかが偽物ってところね」

それにしてもこんな記事ばかりなのは何故だろうと読み進めていると、この新聞を作っている天狗の名前が出てきた。

「姫海棠はたて」

ああ、そういうことか。姿こそ見せないが、彼女もまた俺の味方でいてくれている。いつの間にか息を吹き返していたにとりも記事に目を通していた。

にとり「随分と惚れられていたらしいもんね。念写を使って真実にたどり着いたのだろう。だけど高度に組織化された妖怪の山では滅多な行動がとれない。そこで自分の新聞を使って必死に訴えかけてきたのだろうね。本当に何が起きているのか……を」

あの携帯電話のような形をしたカメラに必死に俺や銀翼の名前を入力してそれらしい写真を探していた姿が想像できる。そして新聞紙に打たれた無機質な文字からも彼女の身を引き裂かれるような思いを感じることも出来た。何としても俺を救いたい、だけど大きな行動はとれない。せめて自分の声、そして自分の意見を聞いてほしいという悲痛な思いが。

幽香「目頭が熱くなっているところ申し訳ないけれど、そっちの新聞もあまり信用できないのよね」

俺だってこんな新聞の存在、今の今まで知らなかったくらいだから仕方ないものの、このタイミングで腰を折ってくるとは……。イジワルなのか、単に気づいていないだけか。ガックリとしていた俺であったが、幽香は直後に「ただ……」と付け加えてきた。

幽香「ただね、銀色の翼を持った妖怪が度々花畑を荒らして嫌がらせをしてくるのは確かなの。その都度追い払っているんだけど、こんな記事を見たからこの前に銀の翼を持った妖怪が来た時にちょっと話しかけてみたの。そしたら無視されちゃったわ」

彼女が視線を窓に移す。所々に荒らされた跡が残っており痛々しい。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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