そして命蓮寺の元メンバーの詰所。本来は本尊であった星がこの中では一番偉いので(もちろん星はそれを理由に威張ったりはしない)、皆の中心にいることが多いのだが(意外とドジなので見張っていないと心配だからという理由もなくはない)、今回ばかりは一輪が中心になって何か会議をしているようである。

一輪「それじゃあ確かにそう聴いたのね、雲山?」
雲山「……(コクン)」

薄暗い部屋、ろうそくの明かりだけが照明のかび臭い粗末な小屋はいつも以上に熱気にあふれていた。

ムラサ「実は銀翼は2機いて、片方は○○だけどもう片方は奴ら道教組が用意した偽物で、私達や○○をハメていたって?」

そう、偽銀翼のことを話しているのを雲山に聞かれてしまったのだ。神子とて間抜けではないので、この手の話題をする時は入念に命蓮寺勢が傍にいないのを確認してからにしている。それは徹底していて、情報の漏えいはあり得なかったのだ。

だが、そこに油断が生まれた。長く自らのライバルを傘下に置くという事を続けていくうちに神子は忘れてしまったのだ。体を自在に大きくしたり小さくしたりできる入道がいるということを。雲山は限界まで薄くなり、神子の部屋でずっと耳をそばだてていたのである。

星「つまり、こっちの鴉天狗の新聞の内容が正しいってことに?」

彼女の手にはボロボロになって捨てられた「花果子念報」が握られている。はたての活躍によって今の銀翼異変に疑いを持つ人も少なからずいたということである。一輪はそのわずかな希望にかけて雲山にスパイをさせたのだ。結果は大成功であったのは言うまでもない。

ムラサ「ど、どうしよう……。私ってばそんな事情も知らないで、多分本物の方のアールバイパーに随分酷いこと言っちゃった……」
一輪「もはやあんな奴らの言いなりになってる理由なんてないわね。ブチのめして早く聖様を救出しましょう!」
星「でも、どうするのですか?」

そう、手段が分からない。ただ闇雲に動いても神子は欲を読み取るので下手な動きは出来ない。アールバイパーを助太刀しようにも戦闘で目まぐるしく動き回れれてはどっちがどっちだか分からない。

一輪「守矢神社よ。偽物があっちにも喧嘩を仕掛けたらしいわ。秘密裏にあちらと同盟を結びましょう。やるしかないわ、聖様を救出するために!」

場所は違えど、○○を手助けする少女は増加しつつあった。一つ一つは小さくても、いずれ繋がり合えば巨悪にも立ち向かえるはずである……!



銀翼と妖怪寺VG VIIIに続く……
あとがき

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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