あまりに壮絶な光景であった。激しく戦った形跡とその「結果」が地面にたくさん転がっていたのだ。恨めしそうにこちらを睨みつけているが、恐らく戦意を失っているのか、誰も追いかけてこない。

雛「そんな酷い……。バイオレントバイパーがここを通過するために過剰に痛めつけたに違いないわ」

銀翼への恨みのこもった眼差しがそれを物語っていた。が、そうでない視線を浴びせる天狗もいた。ツインテールにした髪型の……。

貴方「はたてっ、大丈夫か!?」

酷く傷ついた彼女の名を叫ぶとアールバイパーを降下させて安否を確認するべく声をかけ続ける。

はたて「うぅ……○○。私、間違ってなかったのね。えへへ、文に勝っちゃった……。善の銀翼と悪の銀翼が幻想郷を飛び交っている。この目で証拠を見ることが……」

辛うじて意識を保っていたはたては俺の顔とアールバイパーを交互に見比べて弱弱しく口にする。その様子から酷く衰弱しているのが分かる。

貴方「『花果子念報』、読んだぞ。あの記事には随分と助けられた。感謝しきってもしきれない」

自分の新聞を読んだ良い感想を得られたからか、わずかにニコリと笑う鴉天狗。震える手で一枚の写真を手渡す。

はたて「念写、したの。真犯人の……姿。あり得なかったわ、喰らうと魔力という魔力を吸い取られる上に、どんどん強くなって……」

そこには極太の赤いビームで天狗たちを薙ぎ払うバイオレントバイパーの姿が写っていた。ま、まさか……!

貴方「間違いない、これは『βビーム』だ……。俺の『αビーム』をラーニングして自分のものにしたのか!?」

さすがのバイオレントバイパーも強大な力を誇る妖怪である天狗の大群を倒す手段は持ち合わせていなかったのだろう。だが、奴は「βビーム」を手に入れてしまった。強力な武器を得て本格的に妖怪の山を制圧するつもりなのだろう。

なんということだ、バイオレントバイパーもまた成長する戦闘機だ。早く倒さないと取り返しのつかないことになってしまう!

貴方「雛、はたてを家に運んで介抱するんだ。恐らくあの時の幽香さんみたいに魔力欠乏状態に陥っている。早く何らかの方法で補充しないと命にかかわるぞ」

恐らくはその先、つまり守矢神社に向かったであろうバイオレントバイパーを追いかけようとした矢先、別の鴉天狗が接近してきた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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