振り向くと、雲山がファントムキャッスルを圧倒している様子を目にすることが出来た。雲山が直接ベルサー艦のパーツを掴んでは無理矢理引っぺがしているのはさすがに驚いた。

一方の守矢神社の二人もミラージュキャッスル相手に優勢である。神奈子の火力がその装甲を打ち破ると、たまらず残った装甲をパージしながら逃げようとする。このハリセンボン型の本体を早苗さんが狙いを定めハンターを発射した。

早苗「オーバーウェポンの火力を甘く見ないことです!」

針のように尖った蒼き狩人はハリセンボンに突き刺さり続け、そしてこれを撃破した。

神奈子「ふっ、○○も一輪も上手くやったようだな」

上空で腕を組む神奈子さんに俺はサムズアップした。ああ、誰か一人でも欠けていてはなし得なかった。これは皆でもぎ取った勝利だ。早苗さんから、響子から、そしてこの戦いに参加していた皆で……。

一輪「ふう、いっちょあがり。中身の方ならムラサがキッチリ沈めてくれたわ。さて……と」

命蓮寺のメンバーに取り囲まれ、ガックリと膝をつく神子に神奈子は手を差し伸べる。

神奈子「一気に大きな力を得たことで己を制御できずに散々振り回されたな。明らかに様子がおかしかったが、私は同じ神霊だから何が起きたのかすぐに分かった。
君は神霊としてはあまりに若すぎるのよ。一気にみなぎった己の力に魅入られて、そして暴走してしまったのだろう」

その手を弱弱しくつかむと神子はよいしょと立ち上がる。

神奈子「誰に貰ったのかは知らないが、あの魚のような戦艦……早苗は『ベルサー艦』とか言っていたが、ああいった未知の力はもう少し慎重に使うべきだ」

ボロボロになった里を見てガクリと肩を落とす神子。

神子「私もどうかしていました。もはや、これまでですね……」
布都「そんなことないですぞ、太子様! 我は地獄の底までついていきます!」
屠自古「また、やり直そう」

そんな彼女に寄り添うは二人の側近。あんな事になりながらも神子への忠誠が揺らぐことなどあり得なかったのだ。これも豊郷耳神子本人の求心力の賜物だろう。

ひとまずは壊したものの復興をしたいところであるが、こいつらにはもう一つやって貰わないといけないことがある。

貴方「おっと、まだゼロから再スタートするには早すぎるぜ? さあ、お前らが封印した白蓮さんを解放するんだ」

いつの間にか俺の後ろにいた一輪達が「そうだそうだ」と頷いている。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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