この幻想の空に銀色のラインを引くのは1機でよい。本物と偽物、今まさに一騎打ちが始まらん。

突き抜ける蒼、眼下には名もなき亡者の眠る無縁塚。ぐるんぐるんと上下が入れ替わる。回転しつつのレイディアントソードのぶつかり合い。

ガキンと甲高い音を響かせ、互いに弾き飛ばされる。パワーは互角か、再びぶつかり合わんと先に動いたのはバイオレントバイパー。くっ、スピードも互角ではあるが、反応速度で差が出てしまった。出遅れた俺はオプションを呼び出すとばら撒くようにグラビティバレットを発射する。

間もなく相手が繰り出してきたのはフライングトーピード。2発の直進するミサイルは、重力を発する爆風に飲まれ消えていく。よし、防御に成功……

貴方「!?」

なんだ、小型ブラックホールを突き抜けて赤い弾丸が銀翼をかすめていった。自らの展開したグラビティバレットのせいで向こう側が見えない。たじろいでいると再び弾丸。今度はより正確にこちらを狙っており、右側の翼に被弾する。バランスを崩し大きく揺れる中、再び弾丸が飛んできた。今度の狙いは……俺の脳天だ!

貴方「ちっ! 今度はアーマーピアッシングか」

逆に大きく機体を揺らすことで、狙いをずれさせることで最悪の事態は回避。ブーストをふかしどうにかバランスを取り直すと今度は接近を試みる。奴のレーザー系兵装はアーマーピアッシング。恐るべき弾速と貫通力、そして威力を誇るが連射は出来ない。素早く接近する相手には分が悪い筈だ。

バイオレントバイパー「HUNTER!!」

予想通り、ダブル系兵装に換装してきた。執拗に相手を狙う青い球体だが、これも接近戦には弱い。もらった! いくぞ、レイディアント……。

が、誰が想像できただろうか。眼下からビームの刀がニュっと伸びてきて、銀翼を貫かんとしたのだ。慌てて攻撃のためにかざしていたレイディアントソードで防御するもアールバイパーは大きく弾かれてしまう。目まぐるしく空と墓場が回転している。

貴方「今のはミサイル系兵装『菊一文字』……。馬鹿な、さっきはフライングトーピードを使って居た筈。複数の武器を使いこなすのか?」

未だに体勢を立て直せない俺に忍び寄るバイオレントバイパー。今度はリフレックスリングを飛ばしてきた。恐らくは逆回転のもの。なすすべもなくリングに捕えられてしまう。

バイオレントバイパー「SHOT GUN!!」

まずいっ、この距離で散弾銃など喰らったら……がはぁっ!

無数の穴をあけて銀翼は力を失い墜落していく……。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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