今のは幻聴だったのか、あまりに悲痛な声が聞こえたような気がする。しかし、それを確認しようとした頃にはバイオレントバイパーは地面に叩きつけられた後である。激しい爆発音が鳴り響き、遂に真相を聴く事は出来なかった。

黒煙を上げる無縁塚。だが、最後の一撃を決めた瞬間。俺は分かった。分かってしまった。だから俺は無縁塚へと降り立ったのだ。奴は、奴は邪悪なる銀翼の偽物、バイオレントバイパーではない。

アールバイパーから降りるとそこには滅茶苦茶になったガラクタが落ちているのを確認した。やはり、俺の思った通りだ。

早苗「あっ、これは戦闘機じゃなくて……ゲームの大型筐体?」
貴方「そうだ。早苗、ゲームタイトルを読んでみるんだ」

かろうじて文字が認識できるタイトル部分。早苗さんに場所を譲りそれを読ませる。

早苗「『アールアサルト リバイズド』? 聞いたことないタイトルですね。私が幻想入りしている間に出た続編とか?」
貴方「そうだったら良かったな。だが、違う。リバイズドはアールアサルトの続編として開発されるも、度重なる延期の末に開発中止に追い込まれた『生まれることなかったアールアサルトの続編』。早苗が知らないのも無理はない」

そう、偽物でも何でもなかった。奴もまた希望の翼として侵略者を打ち砕く存在だった筈。

貴方「俺達がバイオレントバイパーと呼んでいたこの銀翼は『イボルブバイパー』。アールバイパーの改良機だ。スペックで負けるはずだし、ボスから武装をラーニングするなんて機能も実装されていた」

幻想入りして、どうやらこいつも実体化したものの悪しき者に利用され暴走の果てに朽ち果ててしまった。なんと酷い……。俯き流れる涙をこらえ、俺は自らの銀翼に向き直る。

貴方「早苗、まだ終わってない……ぜ。イボルブバイパーを利用した道教の奴らを懲らしめるんだ」

最後に無縁塚を取り囲んでくれた仲間達に礼を言う。

貴方「俺はこれから人里に向かってこの銀翼異変を引き起こしたすべての元凶を叩く。ここからは宗教と宗教の戦争だ。だから無理に手を貸せとは言わない。だが、俺を同じ志を抱くものが居たらともに向かおう!」




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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