一番聞きたくなかった台詞、それではネメシスはもう……。彼女の表情は晴れない。真っ二つのネメシスを手にするアリスに俺は泣き崩れながらも再度問いかける。
貴方「ネメシスを修理できないって? どうやってもか!?」
アリス「さっきも言った通りよ。私には修理できないわ。本当に……ごめん……」
申し訳なさそうにアリスが縮こまる。どういうことかと聞いてみたところ、いろいろと専門用語が多くてよく分からなかったが、何度も聞き直したり質問したりを繰り返し俺にも何となく事情が分かってきた。
アリスが言う事を要約すると、胴体に埋め込んだ俺の新鮮な髪の毛によってネメシスは俺を自らのマスターとして認識し、さらにこれが自分で行動する為に必要だった鍵になっていたのだが、その部分がズタズタに引き裂かれているためにアリスには修理できないということらしい。
アリス「人形の体を修理することは出来るし、○○の新鮮な髪の毛をまた貰えばもしかしたら自律人形になるかも分からない。でも、自律人形になったのは私にとっても予想外の事態だったし、またそうなってくれるかはわからない。それに……」
その後に口にすること、それはとても残酷な真実であろう事が俺には予想がついていた。
貴方「『仮に自律人形として目覚めたとしても、記憶をすべて失っている。それはもはやネメシスではない』ってところだろ?」
俯きながらコクンと頷いたアリス。
アリス「私だって辛いし、何とかしてあげたかったわ。最初に○○に人形を用意した時はまさかこんなに大切にするだなんて思っていなかったんだもの。それに、ネメシスを自分の娘のように感じているのは私も同じだし……」
ネメシスは本当に死んでしまったんだ。ネメシスは……。力なく俺は地面に這いつくばった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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