人里……。神子の暴走で崩壊した一画はあらゆる宗教勢が力を合わせて復興に尽力しているところであった。かなりの急ピッチで進められているのか、寝る間も惜しんでいるようだ。流石は人間を凌駕した体力を持つ妖怪達といったところか。
そんな中でムラサを見つけると聖輦船で魔界に向かいたいという旨を伝える。が、ムラサの表情は晴れない。
ムラサ「それがね、アールバイパーの偽物に襲撃されたときに魔界へジャンプするための装置が故障しちゃってね。人里もこんな調子だし修理は当分は無理そうよ」
なんてこった。聖輦船を頼っていたのでこの人里の復興を待たなければネメシスは……。
にとり「修理だな? それなら河童の技術力で……」
ムラサ「ダメよ。そもそもその装置は法力が関係してくるから聖がいないと修理は出来ないの。ところで聖はどうしたの? もう封印は解かれたんじゃないのかい?」
俺は重々しい口調でここまでの経緯を話した。俺に敵意むき出しの白蓮さんの事、真っ二つにされたネメシスの事……。
ムラサ「ぬぬぬぅ、あの腹黒仙人めっ! 聖のお人好しで騙されやすい性格を利用して事もあろうに我らがアールバイパーを侵略者扱いだって!?」
ムラサはムラサでブツブツと悪態をつく。憤っているのは分かるが、全然フォローになってないぞ。しかしまあイボルブバイパーが暗躍していた頃は誰よりも俺のことを憎悪していたのに、真実が暴かれるとまた親身になってくれている。ムラサってのは随分とまっすぐな性格のようだ。
しかしこれは困ったぞ。白蓮さんの封印を解くには白蓮さんと戦いながら説得しなければいけないし、白蓮さんと戦うにはネメシスを復活させなければ困難だし、ネメシスを復活させるには魔界に行かないといけないし、魔界に行くには白蓮さんがここにいる必要があって……。
早苗「あの、○○さん。守矢神社のある妖怪の山に間欠泉地下センターがあるように、博麗神社の近くの山にも魔界に通じる門があるらしいって噂を聞いたことがあります」
なんだって、それは初耳だ。だけど博麗神社ってことは霊夢との接触は避けられないだろう。俺はあの子苦手なんだよなぁ……。
ムラサにお礼と労いの言葉をかけると、俺達は博麗神社へと向かう。だいぶ周囲も明るくなってきた。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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