やはり眼が冴えてしまって眠れない。この短い期間に俺の身には色々なことが起き過ぎたのだ。
「偽銀翼異変」のこと、「神子」を利用した上に「白蓮」との絆や「ネメシス」の体を断ち切ったあの憎き邪仙「青娥」のこと、そして人形職人としての側面もあるアリスの母親であり、魔界を統治する魔界神である「神綺」のこと……。
原因は分かっているとはいえ誰よりも大切な白蓮さんがああなってしまったこと、そしてこんな俺を色々とサポートしてくれたネメシスを失ってしまったことによる精神的ダメージは特に深刻である。
こんな精神状態なのだ。寝室としては十分な広さを持つこの客室は異様に静かであったが、渦巻く様々な感情に翻弄されてとても眠るどころではない。
少し出歩こう。パンデモニウムの敷地内ならそうそう危険はないだろう。俺は寝室を出ると、薄暗い廊下をフラフラと歩みを進めていく。そうしていると神綺の部屋の照明が扉の隙間から漏れているのを見つけた。どうしたのだろうと俺が覗き込もうとすると彼女と目が合った。
俺の姿を認識した神綺さんはにこやかに笑い「おいで」と手招きしてくる。何故だろうか、俺にはその申し出を断るという選択肢が最初からなかった。手招きに応じて俺は神綺さんの部屋へ入る。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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