部屋では神綺さんが切り裂かれたネメシスをじっと見ていた。どうやって直すべきかと考え込んでいたのだろう。そうして顔を合わせて開口一番コレである。
神綺「わわわっ、酷くやつれた顔。早く休んだ方が……いいえ、眠れないのね。気持ちは分かるわ」
余程俺は酷い面持ちだったのだろうか、魔界神に本気で心配されてしまった。部屋を見回すと神綺さんと小さい頃のアリスと思われる金髪の幼い女の子の写真が飾られているのを見つけた。
神綺「無理もないわ。ネメシスちゃんは○○ちゃんとアリスちゃんの娘のような存在だものね」
貴方「確かに二人で創ったから間違ってないけど、その表現はちょっと……///」
うろたえる姿を見てクスっと微笑む神綺さん。
神綺「ごめんね、ちょっとからかい過ぎたわ。貴方には白蓮ちゃんがいたわね」
そう、俺の一番のパートナーは白蓮さんだ。命の恩人で、彼女の為なら全力で力を振るおうと思えて。だけど今は……。
神綺「白蓮ちゃんと何かあったの? なんだかただ動けないだけじゃないみたいね。もしかして白蓮ちゃんも頑固なところがあるから、喧嘩でもしたの?」
喧嘩ならどれだけよかったか。もはやそういう次元を超えているのだ。よりにもよって一番大切な人に敵対視されている。よほど上手に丸め込まれたのだろう、あの青娥の言う事を完全に信用してしまっているのだ。彼女の性格を考えると普通に説得するのは無理だ。だが、どうすればいい? どうすれば……
更に険しい表情をして俯くものだから、神綺さんもただ事ではないと感じたのだろう。その口調が落ち着いたものに変わる。
神綺「○○ちゃん、本当のことを教えて頂戴な。決して悪いようにはしないわ。私にとっても白蓮ちゃんは大事な友達だもの。何か私に出来ることないかな?」
意を決して俺は事のあらましを語った。語りながら、悲しい気持ちが胸いっぱいになり、最後の方は言葉になっていなかっただろう。涙にまみれた俺のことがいたたまれなくなったのか、神綺さんはふわりと俺の体を抱き留めた。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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