言われるがままに俺は神綺さんの背中にしがみつくと、凄まじい速度で飛翔、何やら山の頂のようなところに案内された。アールバイパーも一緒にここまで転送されたのか、俺の傍に着陸していた。

とても肌寒いものの、周囲に何やら淡い光を発する粒子が漂っているのが見える。

神綺「○○ちゃん、周りの光の粒が見えるかしら? ここは純度の高い魔力が充満しているの。何も修行は肉体的に苦しいものだけではないわ。今度の修行は空間を漂う魔力の流れをイメージすること。さあ、腰かけて空気の流れに集中してみて」

どうやら今度は心の修行のようである。言われたとおりに俺は腰かけると、両目を閉じて集中力を高める。

神綺「人間だから魔法使い相手に魔力で勝てっこないって? 大丈夫、魔力ならそこら辺に漂っているわ。魔界ならもちろん、地上の幻想郷にだってここ程じゃないけど。それをうまく取り入れるの。魔法の心得のない人間だし、時間はかかると思うけれど、少しでもイメージできるようになれれば上出来よ」

あれ、何処かで聞いた話だ。そうだ、幽香さんも似たようなことを言っていた。力の流れ、魔力の流れ……。

神綺「スポンジをイメージしてね。息を吸うと魔力が貴方の体にみなぎり、ふーっと息を吐くと余分なものが抜けていく。貴方は魔力、魔力そのもの……」

前は血の流れだったり、植物が吸い上げる養分の流れだったりをイメージするものだったが、今度の相手は空気そのもの。地上ではあまりに魔力が希薄で俺には感じることが出来なかっただろう。だが、ここは魔界でも屈指のパワースポットであるらしい。

神綺「あら、筋がいいわね。初めてでそれだけ魔力を集められるなんて上出来よ♪ もしかして魔法の心得を誰かに教わった?」

高濃度の魔力に身を置き、自らがその一部になるイメージを固めていくと……。

貴方「ガハッ!? ゴホゴホ……」

しまった、あまりに高濃度の魔力を我が身に宿したからか、体が拒否反応を示している。マスクなしで魔法の森に入り込んだ時のような、いや、それ以上に激しく咳き込んでいる。こ、呼吸が上手くできないっ!

神綺「う、嘘……! いくら魔法の心得があるからって、ただの人間がここまで魔力を宿せるなんて早すぎる! 何だかおかしいわ。○○ちゃん、すぐに呼吸を止めて! このままだと、このまま魔力を一気に取り込み続けると死んじゃう!」




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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