呼吸をやめろだって? それは無理だ。瘴気避けのマスクなど意味をなさないようで、俺は喘息の発作のようにむせてしまっているのだ。見ると両腕には魔人経巻の模様のような痣が浮かび上がっていた。
神綺「この痣は……! ○○ちゃん、過去に膨大な魔力が体に流れたことが……いいえ、もっと具体的に聞くわ。過去に白蓮ちゃんの魔人経巻に襲われたこと、なかった?」
俺は必死に頷く。ああ、あれは確かバクテリアン異変の時だ。鈴仙の狂気の瞳でおかしくなってしまった妖夢と戦っていた時。不用意にエア巻物……つまり魔人経巻に触れてしまった俺は、アールバイパーごとギチギチにしめつけられたのだ。あの時に俺の体に膨大な魔力が流れていたんだ。
そうだ、アールバイパー! 銀翼の中に逃げ込もう。少しでも魔力の濃度がマシであるだろうコックピットまでたどり着ければ……。オロオロと右往左往している神綺さんを尻目に、俺は這いつくばりながら銀翼に乗り込む。
必死の思いでコクピットに座り込む。すると俺の体は嘘のように楽になっていった。外の空気がじかに触れないから多少はマシになるとは踏んでいたが、こんなたちどころに症状が緩和されるだなんて……。いや、なんだか嫌な予感がするぞ。
次の瞬間、アールバイパーが勝手に浮かび上がると、その銀翼がスッポリ収まる程度の巨大な魔法弾を放っていたのだ。俺の意思とは関係なく。その予感は的中した。俺に集中していた魔力がアールバイパーへと流れ込み、恐らくはアールバイパー許容量も超えていた分の魔力が勝手に放出されているのだろう。
神綺「きゃあっ! ○○ちゃん、落ち着いてー!」
助けを求めようと神綺さんに向き直ろうとすると、彼女を攻撃してしまう。と、とにかく被害が及ばないように暴れ回る挙動のアールバイパーを少しでも制御しようと操縦桿を握り、上昇していく。
ドカドカドカと魔力の塊を何度も撃ち出し、そしてようやく収まった。神綺さんは恐怖のあまりうずくまっていた。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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