結局その日の修行は予定よりも早く切り上げることになった。俺は彼女の背中で何度も謝罪の言葉を投げかける。

貴方「本当にすまないっ! まさかこんな事になるなんて予想できなかった」
神綺「いいのよ○○ちゃん。幸い誰もケガしなかったわ。瞬時の判断力は本物のようね」

何が起きたのか、神綺さんは俺に教えてくれた。俺は自らの体内に何度も大量の魔力を取り込んできたことによって、普通の人間の何倍も魔力を蓄えることが出来るのだという。

そもそもオーバーウェポンは一度オプションから吸い出した魔力を俺自身に溜め込み、その後で武装に流す仕組みだ。よく考えてみれば俺は生きる魔力タンクといったところだろうか。

神綺「魔力の蓄積という意味では○○ちゃんは本物の魔法使いに匹敵するわ。だけど……」

魔法が使えない俺の場合、それを放出する手段を持ち合わせていない。そして人間の肉体のままゆえにその高濃度の魔力が毒になってしまう。

神綺「さっきの○○ちゃんは限界まで空気を入れてパンパンになった風船みたいなものなのよ」

なるほど、随分と的を得た例えだ。人間の許容量を超えた魔力を宿した時の俺はより一層脆くなっている。

貴方「それじゃあ何か俺に魔法を教えてくれ。そうすれば……」
神綺「それはダメ。確かに魔力の放出は出来るようになるけれど、○○ちゃんの肉体は人間のまま。そんなことをし続けたら体が壊れちゃうわよ」

そう上手くはいかないか……。さらに追い打ちをかけるように神綺さんはこう続ける。

神綺「それに、魔力を蓄えて魔法を行使する、その工程に耐えられる肉体を持つってことは、魔法使いになるってこと……そう、人間をやめることを意味するの。○○ちゃん、そんなこと出来る?」

それは、俺が白蓮さんやアリスのようになることを意味する。魔法使いとしての俺、まるで想像できない。だが、俺の体は人間という範疇から外れようとしているのだ。

俺は……俺は人間であることを捨てて、魔法使いになる覚悟が……


あるっ!
…………

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら