凄いことになっていた。見たことのない薬品がフラスコの中で煙を吐いていたり、何か光る粒子で描かれた魔方陣があったりと……。神綺さんが本気であることが、そしてそんな彼女をもってしてもネメシスの魂を取り戻すことは難しい事であることが見て取れる。
あそこで大きな帽子をピョコピョコさせながらメモを取っているのは魔理沙だろうか。
魔理沙「あの魔界神サマの魔法だなんてそうそうお目にかかれないからな。ここでレシピ盗んで後で試すんだ」
横でヤレヤレと首を振っていたのがアリス。
アリス「あのねぇ、この素材もあっちの素材も幻想郷では取れないわ。魔理沙、魔界に移り住むつもり?」
魔法のことについては俺は正直何も分からない。同じ魔法使いである白蓮さんもこういったことするのだろうか? ちょっと想像できない。
そしてその最奥にいたのは遠くからでもよく分かるサイドテールの頭。そう、神綺さんである。そして彼女の手元には無残にも真っ二つに切り裂かれたネメシスの姿が……。
貴方「分かっただろ、魔理沙? 俺は彼女を助けたいんだ! アリスには出来ないと言われた。魔界の神の力をもってしても失敗続きだ。だけど原理的には出来るらしい。俺は神綺さんに頼み込むことしかできない……」
作業に集中していた神綺さんが一瞬だけ視線を向けてきた。それに気づいたアリスは「しーっ」として、俺達に静かにするように促す。肝心要のところらしい。
黙って様子を見ているとネメシスの体が光り始める。思わず口から「おおっ」と漏れてしまい、アリスに睨まれてしまった。慌てて口をつぐむ。
光はどんどん輝きを増して、増して……そして消え失せてしまった。
神綺「あーん、あと少しなのに……。これで89回目か……。何度もおつかい頼んでごめんね、アリスちゃん」
どうやら失敗らしい。ションボリとする神綺さんを慰めるのはアリス。俺も少し距離を取りながら彼女を励ますことにした。
だが、魔理沙はというと作業台にまで上がりこんでいったのだ。
アリス「あっ、こらっ!」
色々な材料やレシピ本に目を通していく白黒の泥棒。程なくしてアリスに取り押さえられるが、魔理沙はニカッと笑みを浮かべて神綺さんに問いかける。
魔理沙「へへ、面白いものを見ることが出来たぜ。なあ、この人形はどうしても元いたネメシスとやらの魂を見つけ出してここに押し込む必要があるのかい?」
意味深な質問にアリスは首をかしげる。
アリス「そうに決まっているじゃない。人形を修理するだけなら簡単だけど、私達はネメシスちゃんを復活させるのが目的だからそんなに簡単な話じゃないってことよ。この人形には確かに魂が宿っていたのだから」
魔理沙「そうかいそうかい。じゃあさ、発想の転換と行こうじゃないの。魂を見つけて押し込めるんじゃなくて、おびき寄せて入ってもらうみたいな?」
そのやり取りを聞いて目を見開いていたのは神綺さん。
神綺「なるほど、それでも結果的には同じね。もしかしたらあの方法でも……。アリスちゃん、今度の素材は……」
もう夜だというのに、熱の入る3人。そして今度はアリスに加えて魔理沙までもが飛び出していったのだ。
例によって俺には何もできないし、すっかり疲れて果ててしまった。俺は部屋に戻り、眠りにつくことにした。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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