人里上空を抜けると、鬱蒼とした森林地帯が見えてくる。
あれが魔法の森と呼ばれる場所なのだろう。
木々が隙間なく覆い茂っており、上空から目的地を目指すのは困難であるだろう。
しまったな……これは計算外だった。

貴方「リデュース、発動」

そうなると狭い森林地帯の中に入り込む必要がある。
ちょっと危険だが……。ここまで来たのだ、今更引き下がれない。

幸い魔法の森入口の座標データを記録したので迷子になることはないだろう。
あとは妖怪に襲われないように常に周囲に気を配るだけ。

それにしても狭いからなのか、この森の中を進んでいくとどうも息苦しい。
こう薄暗いと気分も滅入ってしまう。早く見つけたい……。

………………

…………

……

どれくらい魔法の森をさ迷ったのだろうか。陽の光がまるで見えないので、時間さえも曖昧だ。

それよりも深刻なのが、どういうわけか俺自身が疲弊していること。

アールバイパーが悲鳴を上げるのならばともかく、どうして俺が疲労しないといけないのか?

やれやれとため息をつこうとした矢先……

俺は思い切りせき込んだ。一度や二度ではない。
まるで喘息のように何度もせき込む。
何かマズいものでも吸ってしまったのだろうか。

せき込み過ぎて、息が苦しい! 気がおかしくなりそうだ!

あまりの苦しさに、視界が白黒になり……そしてブラックアウトした……。

………………

…………

……

再び目を見開くとどうやら何者かにおぶられている感覚を覚える。同時に後ろから何者かに引っ張りあげられている感覚もあった。

見上げると、無数の小さな人形がいつの間にか「リデュース」の解除されたアールバイパーを担いでいる姿も見える。

愛機の無事を確認すると、安堵の為再び眠りに落ちた……。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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